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髑髏天使

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第四十八話 妖神その十七


「違うか、それは」
「如何にも」
 それは死神も否定しなかった。
「それはその通りだ」
「そしてだ」
 神はさらに言うのであった。
「これで貴様等を倒せるようになった」
「それはどうかな」
「私にはわかる」
「わかるのか」
「そうだ、わかる」
 また言う彼だった。
「私が勝つということがな」
「ではだ」
 髑髏天使も言ってみせたのだった。
「それを見せてもらおう」
「こうしてだ」
 言いながらだ。二本に増えた鞭で髑髏天使に襲い掛かってきた。それを見てだった。
 髑髏天使はまたかわそうとする。しかしだった。
「くっ、これは」
「一本だけならできたな」
 二本になるとだ。それが容易でなくなったのだ。
 一本ならそれだけを見て動けばよかった。しかしなのだった。
「だが二本になるとどうか」
「二つ同時に来るか」
「これならどうだ」
 また言う神だった。
「容易ではないな。そして」
「次は私か」
「そうだ。二本の剣はどうだ」
 その緑に燃え盛る二本の剣で死神を攻めながらの言葉だった。
 それは同時に縦横に繰り出される。死神は受けるのだけで必死だった。
「くっ、流石にな」
「厳しいな」
「そうだな」
 忌々しげな口調で返す彼だった。
「私は嘘は言わない」
「ならばだな」
「しかしだ」
 だが、だった。彼はここでこう言うのだった。
「それでもだ」
「勝てるというのか」
「貴様は腕を増やした」
 まず指摘するのはこのことだった。
「だが私はだ」
「身体を増やすか」
「如何にも」
 その通りだというのであった。
「私の術は知っているな」
「分け身を使いそのうえでだな」
「そうだ、勝ってきた」 
 彼の得意技のあの術のことを話すのだった。
「そうしてだ」
「今度もそうするつもりか」
「如何にも。それではだ」
「来るか」
「見せておこう」
 こう言ってだった。後ろに滑る様に飛びそのうえでだった。彼は飛び退きながら身体を一つ、また一つと増やしていくのであった。 
 そして十人になったうえでだ。神に対して言うのだった。
「これでだ」
「どうする」
「貴様が増えるのなら私も増える」
「これならどうだ」
「ふむ」
 神もだ。彼も見て話すのだった。
「ここでもそれを使うのか」
「そうだ、それでだ」
「これで貴様に勝つ」
「そうする」
「俺もだ」
 ここでだった。髑髏天使も言ってきた。
 そのうえでだ。左右に身体がぶれたように見えた。すると。 
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