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髑髏天使

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第四十八話 妖神その八


「それでクリアできないから」
「ラスボスが強いんじゃなくてさ」
「そこまでいく前提が滅茶苦茶だから」
「わからないって、あんなの」
「そう簡単にはね」
「しかもだ」
 ここでまた言う牧村だった。
「あのゲームは最初アーケードだった」
「だよね。ゲームセンターでやったよ」
「人間に化けてね」
「変装してやってたよ」
「それでだよ」
 そこまでしてやってだ。そのうでの言葉だった。
「もう謎が全然わからなくてさ」
「皆で言い合って確かめ合ってそれで進んでいってだよ」
「やっとクリアしたんだよ」
「そしたら裏があってさ」
「それがアイテムの出し方全部違ってて」
「全く別のゲームだっての」
「ただキャラクターが同じだけで」
 一見すると酷評だ。だが話す彼等の顔は明るい。
「そんなゲームだったよね」
「だよねえ」
「他にはさ」
「忍者くんどう?」
「あれも酷いね」
「凄かったね」
 今度はそのゲームの話だった。
「獅子舞とかねえ」
「火を吹くのはいいけれどさ」
「それがそのまま残って」
「それもどんどん」
 妖怪達の口調が忌々しげなものになっていく。
「こんなのどうするんだって思う位」
「もうむかついてむかついて」
「後のトカゲが可愛く見える位にね」
「酷かったよね」
「ガイコツも強かったけれどね」
「獅子舞はもう最悪」
「けれど」
 それでもだと言うのだった。彼等は。
「その獅子舞でもヨロイよりはね」
「うん、平気だったね」
「まだ倒せたよね」
「何とかね」
「ヨロイか」
 牧村がここでまた出て来た。
「あれは阿修羅の章でも苦戦したな」
「あれ一人だけでもやばいのにね」
「気絶させないと倒せないから」
「しかも弓矢ビームみたいに出すし」
「もう最強」
 そんな敵だったのである。
「それを雑魚でどんどん出してきてくれてさ」
「どうやってクリアしろってんだよ」
「その阿修羅の章でも爆弾使ってもさ」
「気絶しないと倒せないし」
「何十発かやってたら倒せなかった?」
「そうかな」
 話はさらに盛り上がっていく。その懐かしいゲームでだ。
「全然平気だったような」
「気絶させた瞬間に爆弾で倒したことはあるけれど」
「まあ爆弾凄い武器だったけれどね」
「あれ最強だよね」
「三連射にしたらもう無敵に思えたよね」
「あくまで思えただけだけれどね」
 昔のゲームはとにかく難しかったというのである。そしてだった。牧村はアーケードの話題だけでなくだ。他の種類のゲームの話もしてきた。
「うちの叔父が言っていたがな」
「ああ、牧村さんの叔父さん?」
「牧村さんにも叔父さんいたんだ」
「そうだったんだ」
 まずはこの話からだった。
「よく考えたら家族もいるしね」
「じゃあ叔父さんも普通にいるか」
「そうだよね」
「やっぱりね」
「当然だ」
 牧村も彼等に対して告げる。 
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