髑髏天使

「そして混沌の原初の神」
「原初のだと」
「そうだ。そこにいる二柱の神々」
　その彼等だというのである。
「その神々もまたこの世に解き放つのだ」
「それが貴様のやるべきことか」
「その時にだ」
　男はまた告げてきた。
「この世界は完全に破壊と混沌の中に覆われる」
「それでは俺はだ」
「私もだ」
　死神も彼等の話に入って来た。
「それを止めてみせよう」
「必ずだ」
「この戦いに生きられればな」
　これが男の彼等のへの返答だった。
「それを目指すがいい」
「その言葉確かに受け取った」
　死神の言葉だ。
「忘れはしない」
「ではだ。見させてもらおう」
　男の姿が完全に消えた。声だけになった。
「貴様のその戦いをな」
「それではだ」
「戦うとしよう」
　二人は男との話を終えてそのうえで対峙するのだった。二人の対峙する相手は妖魔だった。その妖魔が二人を見て話したのだった。
「六枚の翼を持つ黄金の天使か」
「それが今の俺だ」
「そして鎌を持つ白い者」
「私のことだな」
「我が相手に相応しい」
　妖魔は悠然として話した。
「実にな」
「相応しいか」
「そう言うのだな」
「そうだ」
　また答えた妖魔だった。
「そして葬るのにだ」
「その言葉確かに受けた」
　死神は妖魔のその言葉も受けたのだった。
「それではだ」
「はじめるとするか」
「行くぞ」
　まずはだ。死神が動いたのだった。
　飛んだ。そうしてだった。　
　上から鎌を投げる。その手に持っている大鎌を。
　その鎌で妖魔を断ち切らんとした。しかしであった。
「甘いな」
「むっ！？」
「俺は翼を持つ妖魔だ」
　妖魔が言うのはこのことだった。
「それは通じはしない」
「それはわかっている」
　わかっていると返した。そして空に舞った漆黒の妖魔を見た。
　そしてだ。その手に再び鎌を出した。その鎌も投げた。
　そのうえでだ。こう言うのであった。
「どうやら私はだ」
「何だというのだ」
「新たな力が出ようとしているな」
　これが死神の今の言葉だった。
「その様だ」
「あらたな力だと」
「そうだ、新たな力だ」
　また妖魔に返した。髑髏天使も既に闘いの場に加わっている。
「それが出ようとしている」
「ではだ」
　妖魔は羽ばたいた。無数の羽が剣となり二人に襲い掛かる。その中での言葉だった。
「その力で俺を倒すのか」
「そうなる」
　その通りだというのだった。
「それが今だ」
「そうか」
「動じないな」
「そうした言葉は聞いてきた」
　こう返す妖魔だった。
「何度もな」
「だからか」
「そうだ、だからだ」
　それを理由としていた。そうしてだ。
「俺は言葉では驚きはしない」
「ではこれではどうだ」
　髑髏天使は右手の剣を一閃させた。するとだった。