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髑髏天使

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第四十二話 共闘その十一


「それだけではないな」
「というとどういうことじゃ?」
「人間かそうでなくともだ」
 言いながらちらりと妖怪達を見る。実際には彼等を見ての話ではない。だが人間でないということからあえて彼等を見たのである。
「それでも友人になれるな」
「わしとこの連中みたいにじゃな」
「それがわかった。そうだな」
「友達っていいよ」
「そうだよ。博士は友達だし」
「とてもいいよ」
 妖怪達はここでまた博士を囲むようにして話した。
「もう長い付き合いだしね」
「色々遊んで話をしてるしね」
「美味しいものも食べて」
「今だってそうだし」
 それは現在進行形だともいうのである。
「そう、人間とかそういうのはね」
「些細なことだよ」
「その人の気持ち次第で」
「友達になれるんだ」
「人間でありながら人間とは違う存在とも友達になれる」
 牧村は彼等の言葉を聞きながらまた述べた。
「面白いものじゃな」
「それもまた世の中じゃよ」
 博士は顔を少し崩して牧村に述べた。
「それでなのじゃが」
「それでか」
「さて、来たぞ」
 話が一段落したところでだ。カレーが来たのだtt。
「お代わりのカレーじゃ」
「早いな」
「大阪は美味い、早い、安いじゃ」
 所謂三拍子である。
「これが大阪の食べ物じゃ」
「そうでなくては駄目か」
「それとサービスも必要じゃ」
 このことも+された。
「サービスもなのじゃ」
「サービスもか」
「それを入れたら四拍子じゃな」
 また言う博士だった。
「大阪の店は全てないと駄目なのじゃ」
「東京は違うけれどね」
「あそこはね」
 妖怪達はそこはだというのだった。
「サービス悪い店あるよね」
「老舗だと何かね」
「もう最悪」
「一見さんに冷たいし」
 これが東京なのである。
「お客さん大事にしろって」
「しかも高いしね」
「大阪よりまずいし」
「東京は駄目だよ」
「寿司とか鳥鍋とかのう。一回行ってじゃ」
 博士はまた話した。
「冗談ではないわ」
「そうそう、最低だよ」
「お客さん選ぶなんてね」
「あんなの」
 妖怪達も口々に話す。
「大阪でもそんなお店あったけれどね」
「潰れたしね」
「当たり前だけれどね」
 大阪にもそういう店はあるにはあった。だが問題を続発させて見事につぶれてしまったのである。
「よく大阪であんなことできたよ」
「何考えてるんだか」
「だよねえ」
「正気だったのかな」
「思い上がっておったのじゃよ」
 博士も突き放した口調だった。
「だからじゃ」
「それでそんな経営をしていた」
「そういうことなんだね」
「結局は」
「そうじゃ。結局はそうなのじゃ」
 また言う博士だった。
「あそこの親父もおかみもじゃ。思い上がっておった」
「だから手抜きというか出しちゃいけないものをお客さんに出したりして」
「そういうことを何度もやって信頼をなくして」
「そして遂に」
 そうした店の辿り着く末路は一つしかなかった。 
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