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髑髏天使

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第四十一話 暗黒その十四


「それではだ」
「闘うというのね」
「その通りだ。やらせてもらおう」
「無論私もだ」
 彼の左隣にいる死神も言ってきた。
「この程度のことで退くとは思わないことだ」
「その前に退くということはしないわね」
 妖魔はその死神にも告げてみせた。
「そうね」
「その通りだ。例え相手が誰であろうとも」
 死神は両手に鎌を握った。そのうえで構えながら話す。
「私は背を向けはしない」
「俺もだ」
 そしてそれはだ。髑髏天使もだというのだ。
「相手が誰であろうともだ」
「逃げないというのね」
「そして倒す」
 言葉は一言だった。
「いいな」
「いいわ。倒すといいわ」
 妖魔はその二人をここでも悠然と受けていた。そのうえでの言葉だった。
「倒せるならね」
「来い」
「それではだ」
「ええ。それじゃあ」
 こうしてだった。その無数の子蜘蛛達が二人に襲い掛かる。まずは糸が来た。
「この糸で何をするかはだ」
「既にわかっている」
 髑髏天使は落ち着いて死神の言葉に返した。そうしてだった。
 赤い天使になってだ。周囲に火柱を無数に出してみせた。
 そしてそれを螺旋状に動かして。前や横から来る糸を全て消してみせた。
「炎で対するか」
「こうした時にはこれが一番いいからだ」
 死神にこう述べる。
「だからだ」
「そうか。それならだ」
「次は貴様だな」
「上から来るものは任せるのだ」
 蜘蛛達の中には跳んでいるものもいた。彼等はその上から攻撃を仕掛けてきていたのだ。
 それを見てだ。彼は言ったのである。
「やり方はある」
「どうする?」
「貴様は炎だな」
 髑髏天使のその出したものに対してだった。
「それならば私はだ」
「少なくとも炎ではないか」
「それでは芸がない」
 そうだというのだ。
「だからだ。見せよう」
 言いながら鎌を一閃させた。するとだった。
 鎌から何かを出した。それは。
 氷だった。氷の刃を鎌から出してみせたのだ。
 その氷でだ。蜘蛛達を切ってみせたのである。
「氷か」
「はじめて使ったな」
 ここで髑髏天使に対して述べた。
「貴様の前では」
「そうだな」
 髑髏天使も己の記憶を辿ってから述べた。
「確かな」
「そういうことだ。面白いだろう」
「技としては面白い」
 髑髏天使はその氷を見てまずはこう告げた。
「しかも俺の氷より力は上なのか」
「上に決まっている」
 死神は平然とその自信を告げてみせた。
「私の力は貴様より上なのだからな」
「それでか」
「私の力は今も貴様より上だ」
 死神はまた氷を放ってそのうえで話した。 
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