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髑髏天使

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第三十七話 光明その十一


「何があろうともだ」
「その言葉確かに聞いた」
 死神は静かに返した。
「今だ。確かにだ」
「受けたな」
「如何にも」
「わかった。では覚えておいてくれ」
「そしてそのうえで戦うか」
「魔物が全て消えるまでだ。髑髏天使の使命だったか」
 使命という言葉も出したのだった。
「それが」
「そうだな。髑髏天使の戦いはその時代の魔物達がいなくなるか髑髏天使が何らかの事情で死ぬまでだ。それまで続けられるものだ」
「ではだ」
「戦い続けるか」
「人としてな」
 これは外さなかった。彼にしてもだ。
「絶対にそうする」
「ではそうするのだ」
「そうか」
「俺は戦う」
「その言葉も受けた」
「ではだ。そういうことだ」
「話はまずは終わりだ」
 そうしてであった。そのうえでさらに言ってみせたのだった。
 話が変わった。今度の話はだ。
「それでだが」
「今度は何だ」
「私もこの前知ったことだが」
「何だ、それで」
「魔神達だけではないようだ」
 こう言うのだった。
「どうやらな」
「その様だな」
 そして牧村もだ。こう返してみせたのだった。
「どうやら」
「知っていたか」
「話を聞いた」
 死神に対して答える。
「そうしたことを調べている人間からだ」
「そうか、知っていたのか」
「それでだが」
「妖しい、そして禍々しい存在の様だな」
 死神の目が鋭いものになった。
「どうやらな」
「その存在とも戦うのか」
「そうなるだろう」 
 今は素っ気無く答える死神だった。
「おそらくな」
「そうか」
「まあ僕達は戦いも仕事だからね」
 目玉がここで牧村に説明してきた。
「そうなるのも当然だね」
「戦いの神でもあったのか」
「一応それもやってるんだ」
「その通りだ」
 目玉に続いて死神も言ってみせてきた。
「この者もだ」
「そう、僕もね」
「貴様もだと」
 牧村は楽しそうに目を細めさせる目玉を横目で見ながら言った。
「そうだったのか」
「そうだよ。僕は本来は眠りの神だけれどね」
「それと共にか」
「戦いの神は僕達の系列の神族じゃ何人かいてね」
「何人か、か」
「だから僕達も戦いの神なんだ」
 そうだというのである。 
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