髑髏天使
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第二十七話 仙人その二十二
「しかしだ。使いこなせる自信はある」
「そうなのだな」
「そういうことだ。それではだ」
「今度は何だ」
「帰らせてもらう」
こう言うのだった。
「これでだ。もう用はないな」
「戦いは終わった」
その彼にこう返した死神だった。
「それではだ」
「そういうことだな。では家に帰るとしよう」
「そして人の生活に戻るのだな」
「その通りだ。何なら貴様も来るか」
「遠慮しておく」
「来ないというのか」
「私は私の世界に帰る」
これを返事とするのだった。
「だからだ。これでだ」
「そうか。ではわかった」
そして髑髏天使もその言葉を受けて頷くのであった。
「そうするといい」
「そうさせてもらう。では今回はこれでだ」
「帰るからね」
ここでまた目玉が出て来たのだった。
「じゃあね、髑髏天使」
「ああ」
目玉に対しては少なくとも死神に対してより愛想はよかった。
「また会おう」
「またね。ところでこうして飛ぶのはどう?」
「飛ぶことか」
「どうかな。気持ちいいかな」
このことを問うてきたのだった。
「それはどうかな」
「悪くはない」
こう答える髑髏天使だった。
「空もだ」
「そうだよね。お空はいいよ」
髑髏天使が応えたので彼も機嫌をよくさせていた。
「僕もこうして飛ぶのが好きだしね」
「御前はそれ以外に出来ないのではないのか?」
その彼に横から死神が言ってきた。
「身体の構造上飛ぶ以外には」
「それはそうだけれどね」
彼も声を笑わせてそれは認めた。
「実際のところね」
「そうだな。何はともあれだ」
「そうだな。話はこれで終わりだ」
「また会おう」
あらためて髑髏天使に告げる死神だった。
「すぐにな」
「そうなるだろうな。それではだ」
死神に別れの挨拶を告げると飛び去った。夕焼けを背にして飛び家まで戻る。そうしてその日はそのまま休んだのであった。
第二十七話 完
2009・12・6
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