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髑髏天使

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第六十話 最終その三


  そのミルクティーをストローで飲みながらだ。若奈は言った。
「男の子ばかりで三人がいいわね」
「あれっ、そう来たの」
「お姉ちゃん男の子が欲しいの」
「だから。妹が三人もいるのよ」
 それでだというのだ。
「それだったらよ」
「子供は女の子より男の子」
「そうなるのね」
「そう、あんた達はどうなの?」
 若奈は妹達に尋ねた。
「子供はどっちが欲しいの?」
「やっぱり男の子?」
「そうよね」
 二人はこう言うのだった。
「私も。ずっと女の子ばかりの環境だったし」
「それだったらよね」
「やっぱり男の子欲しいし」
「自分の子供にはね」
「ふうん、そうなんだ」
 その二人の話を聞いてだ。未久は言った。
「若奈さんは男の子が欲しいんですね」
「そう。男の子を何人もね」
 未久にさらに話すのだった。
「そう考えてるの」
「ううん、私は」
 未久は彼女の話をそこまで聞いてだ。
 そのうえでだ。彼女はこう言うのだった。
「とりあえず将来は結婚したいですけれど」
「それでもなの?」
「子供までは考えてないです」
 そうだというのだ。彼女はだ。
「まだ。そんなことは」
「そうね。若奈ちゃんまだ十四よね」
「はい」
 そのだ。年齢の話にもなった。
 その話をしてだ。さらに話すのだった。
「まだ結婚できる歳になってないです」
「十六からだから」
 法律上での話だ。年齢はそれだけだった。
「それまではね」
「ですよね。だからそこまでは」
 考えられないとだ。未久は話した。
「考えられないです」
「けれどそのうち考えるようになるわ」
「なりますか?」
「考えられるようになる時があるのよ」
 これは年長者としての言葉だった。
「その時になればね」
「考えられるんですね、私も」
「そうよ。だから今は特に考えなくてもいいわ」
「わかりました」
 未久は若奈のその言葉に頷いた。
 そしてそのうえでだ。彼女は若奈の妹達に対して尋ねた。
「二人は」
「私はね。少しはね」
 まずはだ。上の妹が話した。
「考えてるわ」
「そうなんですか」
「十七だから」
 高校二年である。つまり法律的には結婚できる年齢だ。
「だから。ちょっと意識しだしたわ」
「じゃあ若奈さんが仰ることそのままで」
「そう、私も考えられなかったけれど」
 子供のことをだ。考えられなかったというのだ。
「けれど今はね」
「そうしたことも考えておられるんですか」
「男の子も欲しいけれど」
 彼女はこう話した。 
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