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髑髏天使

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第五十八話 嘲笑その十一


 それで闇の虹の矢を打ち消していく。それで己を守るのだった。
 それを見てだ。神は言った。
「護りか」
「如何にも。見た通りだ」
「そうだな。しかしだ」
「しかし。何だ」
「防ぐだけではないだろう」
 その虹の球達を見つつだ。彼は言うのだった。
「そうだな」
「わかるか」
「護るだけで済ませる貴様ではない」
 髑髏天使はだ。そうだというのだ。
「そうだな」
「その通りだ。そしてだ」
「そしてか」
「どうして攻める」
 それを問う神だった。
「貴様はどうして攻める」
「それを見たいのか」
「そうさせてもらおう。それではだ」
「まだ攻めはしない」
 また言う髑髏天使だった。
「それはまだだ」
「機を窺うか」
「そういうことだ。私は楽しむ存在だ」
 嘲笑しながらの言葉だった。
「それはこの場でも同じだ」
「成程な。それではだ」
「その時を待たさせてもらおう」
 言いながらだ。再びだ。
 神は闇の虹の矢を放っていく。そうしてだ。
 それに加えてだ。さらにだ。
 闇の光も放って来た。今度はだ。
 神のその翼が拡がりだ。それがだ。
 髑髏天使達を襲う。それを見て死神の中の目玉が言う。
「この闇の光もだね」
「そうだな。かするだけでな」
「消えるよ」
 目玉はこう死神に述べた。
「間違いなくね」
「消えるな。確かに」
「髑髏天使は虹の球体で防いで」
 まずはだ。彼について話す。
「そして魔神達もね」
「そうだな。それぞれの気で己を覆っている」
 見ればだ。魔神達はだ。
 それぞれの身体に己の光を出してだ。それで囲んでだ。
 闇の虹からも黒い光からも護っている。そうしているのだ。
 その彼等を見てだ。さらに話す彼等だった。
「それに対してはだな」
「私達は今はかわしているだけだ」
「矢だけならそれでいけるよ」
 目玉はそれは大丈夫だというのだ。しかしだ。
 それに加えてなのだ。今は。
「黒い光はね」
「それはどうするべきか」
「それだよ。どうするの?一体」
「こうする」
 死神は言った。するとだ。
 その周りにだ。あるものを出した。それは。
 無数の風の刃だった。それを己の周りに巡らせてだ。
 虹も光も斬り消し去っていく。それで防ぐのだった。
 そうしてだった。死神と目玉は己を護るのだった。そしてだ。
 彼等は護る。そうしたのだ。
 その彼等も見てだ。神はまた言った。
「そうしたやり方もあるか」
「おかしいか」
「おかしくはない」
 こう死神に答える神だった。 
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