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髑髏天使

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第五十三話 怪地その二十一


「それは言っておこう。それではな」
「消えるか」
「今は」
「そうさせてもらう。それではな」
 こうしてだった。男は再び姿を消した。そしてであった。
 男が姿を消すとだ。世界は元に戻った。それと共に魔神達は人間の姿になり髑髏天使達もその姿を元に戻した。そうしてなのだった。
 紳士がだ。二人に告げた。
「ではだ」
「またか」
「次の戦いの時にだな」
「そうだ。その時に会おう」
 こう告げるのだった。
「ではな」
「そうだな。それではな」
「また会おう」
「随分友好的だな」
 死神は紳士の今の言葉にこう言った。
「変わったものだな」
「少なくとも今は敵同士ではない」
 だからだとだ。紳士は死神のその言葉に答えた。
「これからはどうかわからないがな」
「だからか」
「そうだ。敵同士でなければだ」
 どうかとだ。紳士はこのことも話した。
「特に敵意を向けるつもりはない」
「そういうことだな。それじゃあな」
 ロッカーは仲間達に顔を向けてだ。その彼等に対して言った。
「今からどっか行くか」
「はい、そうですね」
 老人が彼に穏やかな笑顔で応えた。
「それでは。今から」
「何処に行く」
「百貨店に行きましょう」
 こうロッカー達に勧めもした。
「そこで何か食べましょう」
「いいね、それは」
「そうだな」
 彼のその提案に女と男が賛成した。
「あそこは食べる以外にも色々とあるしね」
「いるだけで楽しめる」
「買い物もできるね」
 美女も言った。
「それならそこでね」
「はい、では行きましょう」
 老人は彼等の賛成の言葉を受けてだ。あらためて同志達に述べた。
「今日はそこで遊ぶとしましょう」
「では行こうか」
 青年が応えてだ。そのうえで百貨店に向かうのだった。
 その向かおうとする彼等にだ。牧村がふと問うた。
「待て」
「何でしょうか」
「何かあるのかのう」
 小男と老婆が彼に応えた。百貨店に向かおうとした足を止めてだ。
「もう戦いは終わりましたが」
「それでも何があるのじゃ?」
「金のことだ」
 彼が問うのはこのことだった。
「貴様等は遊んでばかりだが」
「それでもですか」
「何故金が続くかじゃな」
「そうだ。労働はしていないな」
 このことをだ。彼等に話した。
「人間でない限りはな」
「はい、その通りです」
 労働をしていないことをだ。老人が認めて答えた。
「私達に労働は関係ありません」
「そうだな。しかし金はあるのか」
「お金なぞはどうとでもなります」
 老人は素っ気無い口調で牧村に答えた。 
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