| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

髑髏天使

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五十三話 怪地その十七


 彼等はそのうえで神に対してだ。こう告げた。
「行くぞ」
「刈らせてもらう」
「ではだ。はじまりだな」
 神も二人の言葉を受ける。それが合図となった。
 髑髏天使は黄金の六枚羽根の姿になり死神も漆黒の姿になる。その姿で巨大な神に向かいだ。早速攻撃を仕掛けたのだった。
 髑髏天使はその両手の剣で斬りつけた。だがそれは。
 跳ね返されてしまった。金属と金属がぶつかり合う鈍い音がしてだ。神が言ってきた。
「見事な攻撃だ」
「しかしというか」
「そうだ。それでは我は倒せはしない」
 こう髑髏天使に対して言うのだった。
「この我はな」
「身体を金属にしたか」
 何故防いだか。それをすぐに察しての言葉だ。
「それで防いだか」
「地にあるのは土だけではない」
 こう述べる神だった。
「金属もある。我はその中に金属もあるのだ」
「それも様々な金属がか」
「そうだ」
 まさにその通りだというのである。
「そして他のものもだ」
「避けろ」
 死神が髑髏天使に告げてきた。
「来るぞ」
 髑髏天使は彼の言葉の前に動いていた。そうしてだった。
 彼は上に飛んだ。するとそこまで彼がいた場所にだ。
 マグマが来た。赤い、泥を思わせる激流がそこを襲った。そしてそれでだ。髑髏天使がそれまでいた場所を全て焼き尽くしたのだった。
 髑髏天使はそのマグマを見てだ。死神に対して告げた。
「危ないところだった。月並な言葉だがな」
「そうなるな」
 死神も彼のその言葉に応える。
「だが助かったのは確かだ」
「そうだな。それはな」
「今回は助かった」
 また言う髑髏天使だった。
「しかしだ。次はな」
「楽観はしないことだな」
 こう話す二人だった。攻撃をかわしてもそれで安心していなかった。
 そのうえでだ。神はだ。今度はその巨大な口からマグマを出してきた。
 そのマグマは瞬く間に拡散する。そうして。
 二人だけでなく魔神達にも迫ってきた。それが増えていく。
「意志を持っていますね」
「そうじゃな」
 百目とバーバヤーガが話す。
「このマグマは」
「明らかに」
「そうだ。このマグマは我そのものだ」
 神もこう話すのだった。
「このマグマは貴様等を追う」
「追ってきますか」
「ふむ。そしてわし等を追い詰めるか」
「追い詰めそうして焼き尽くす」
 神は己のマグマについて話す。
「それがこのマグマだ」
「貴方自身」
「そうなのじゃな」
「そうだ。ではだ」
 神の言葉が続く。
「そのマグマに焼かれるがいい」
「何ということはないな」
 髑髏天使はそのマグマ達が迫る中でもだ。落ち着いて言うのであった。
「この程度ではな」
「何ともないというのか」
「マグマには触れなければいい」
 それだけでいいというのである。
「それだけでいい」
「そしてその前にだな」
「貴様を倒す」
 そうするというのである。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧