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髑髏天使

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第五十一話 解放その十四


「確かにな。これでだ」
「神は倒れる」
「滅びるしかない」
「貴様等の勝ちだ」
 それぞれの頭でも言ってきた。しかしであった。
 神はだ。ここでこうも言うのであった。
「だが。これはこれでだ」
「いいことだ」
「神のこの命でだ」
「新たな舞台が開くのだからな」
「新たなだと」
 それを聞いてだ。髑髏天使がまず言った。
「何だ。それは」
「封印が解かれるのだ」
 不意にだ。あの声が聞こえてきたのだった。
「あの神々のな」
「貴様か」
「ヒドラが勝てばそれでよしだった」
 男がまた出て来た。そのうえで髑髏天使と死神に話すのだった。
「しかし負ければだ」
「封印だと」
「そうだ、今四つの封印が解かれる」
 こうだ。髑髏天使と死神に続けるのであった。
「地水火風の四つがだ」
「今それが成る」
 神もまた言ってきた。
「我の死により生じる力を使ってな」
「そしてその力によりだ」
「封印が解かれ」
「そしてだ」
 彼等が話していきだ。そして。
 遂にだ。神の身体が赤と青の二色の炎に包まれていく。その中においてであった。
「さあ、ナイアーラトホテップよ」
「今だ」
「今こそ封印を解くのだ」
「神のこの最後の炎を使ってだ」
「礼を言う」
 男はだ。その神に礼を述べた。彼にしては珍しくだ。 
 そのうえで彼を見ながらだ。さらに話すのであった。
「ではな。これからな」
 右手を掲げる。するとだ。
 そこから黒い光が放たれ。それが全てを包み込み。
 光が爆発してだ。神がその中に消え失せていく。
「こうしてだ。この中でだ」
「神の命が燃え上がり」
「四つの封印が解かれる」
「そして遂に」
「混沌の世界が訪れるのだ」
 神が光の中で言うとであった。遂に。
 凄まじい衝撃と黒い光が次々に爆発し。男は言うのであった。
「わかるな。こうしてだ」
「四つの封印が解かれたか」
「そして遂にか」
「その四柱の神々がか」
「復活するのか」
「その通りだ」
 また言う男であった。
「その名も言っておこう」
「水は知っている」
 死神がその言葉を返した。
「既にな」
「そうか。知っていたのか」
「クトゥルフだな」
 それだとだ。死神は指摘したのだった。既に鎌は彼の両手に戻っている。髑髏天使の剣も二本の小さいものに戻りそうして構えられている。
 その構えを見せたままだ。彼等は男と対しているのだった。
「それだな」
「如何にも。まずはそれだ」
 クトゥルフだと。男も話した。
「水のクトゥルフだ」
「水はわかった」
 それを聞いて言う髑髏天使だった。
「では後の三つは何だ」
「風から言っておこう」
 男は次はそれについて述べた。 
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