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髑髏天使

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第五十話 帰郷その二十一


「人間の屑じゃ」
「そうだな。あいつはな」
「生きながら餓鬼道に堕ちておる」
 そこまでだというのである。
「人間ああなったら終わりじゃ」
「そういうことか」
「うむ、終わりじゃ」
 まさにそうだというのである。
「ああなってしまえばな」
「そうだよ。ああいう奴ってね」
「次は人間には生まれ変われないから」
「妖怪にもなれないよ」
 妖怪達もその輩について忌々しげに話す。
「かといっても魔物にもなれない」
「動物にも植物にもね」
「そうしたのには絶対になれないから」
「昆虫だって無理」
 そこまでだというのである。
「だからなるとしたら餓鬼だよ」
「それで一億回はやり直すことになるね」
「そっから細菌に生まれ変わるから」
「そうなるよ」
「そうじゃろうな」
 博士も妖怪達のその言葉に頷く。
「ああいう奴はそうなるわ」
「あんまりにも卑しいから」
「下品過ぎるよ、全く」
「そうだよね。あれ日本人どころか」
 それどころではないというのである。
「人間ですらないから」
「生き方って顔に出るけれどさ」
「本当にそうした顔してるじゃない」
「あれは本当に下劣な奴だよ」
 妖怪達から見てもだ。そうした輩であった。
「これまでそうした奴もいたし見てきたけれど」
「今の日本ってそういう奴多いよ」
「あいつがいる政党とか」
 まさに類は友を呼ぶであった。下劣な輩の周りには下劣な輩が集まるものだ。
「あとマスコミとかね」
「学校の先生にも多いよね」
「それもかなりの割合でね」
「どっちも酷いものですよ」
 ろく子もその長い首の先にある顔を曇らせている。
「学校の先生なんて滅茶苦茶ですから」
「こんなことは言いたくないがのう」
 博士も暗い顔である。
「マスコミとか教師の世界はじゃ」
「最悪だな」
「卑しければ卑しいだけ」
 博士は牧村に応えて話していく。
「無能であれば無能であるだけじゃ」
「偉くなっていくな」
「左様、そのどちらも備わっていてこそじゃ」
 それによってであるというのだ。
「そうした組織は偉くなれるのじゃ」
「よくなる筈がないな」
 牧村も話を聞いて述べた。
「そんな組織は」
「はい、そうした人間は今の日本に多いです」
「それも実にじゃ」
 ろく子と博士はまた牧村に話した。
「大学もですよ」
「この大学にはおらんがな」
「そうだな。この大学はな」
 つまり八条大学のことである。彼等が今いるその場所だ。
「そうした教師等からは嫌われるだろうな」
「八条グループにしてもじゃ」
 博士はそこから話す。八条大学を経営しているそのグループである。
「随分そうした連中から中傷を受けたぞ」
「凄かったんですよ、昔なんて」
 また博士とろく子が牧村に話す。
「環境破壊だの経済侵略だのな」
「社員の現地での破廉恥行為とか。嘘ばかり書いてたんですよ」
「嘘か」
「完全にな」
「それを書き殴られ続けていました」
「それが許されていたか」
 牧村はこのことに深い憤りを覚えた。 
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