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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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私も戦力です!

私は今、サマンオサ南の洞窟を歩いている。
お父様を先頭に、お母様・ウルフちゃん・私・アルル様・そして殿をお兄様が努めるている。
ハツキさんとカンダタ・モニカはどうしたかと言うと…
不良兵士共が屯する町に、フィービー達だけを置いてくる訳にもいかない状況にしてしまった為、拠点防衛用にサマンオサへ置いてきたのである!
因みに私も置いてきぼりを喰らうところだったのだが、我が儘全快でついて来ちゃったのだ♥


「いやですー!私も一緒に洞窟へ行きますー!お父様達と一緒が良いですー!!」
「我が儘を言うんじゃありません!洞窟内は危険なのだから、此処で大人しく待っていなさい!」
「お父様!私だって、この国の事を憂いでる一人です!私だってフィービーさん達の為に、何かをお手伝いしたいと思ってます!こんな時の為に、魔法を手加減できるように頑張ったんです!私も…私も一緒に連れて行って下さい!」
………っと、こんな感じでお父様と小一時間の問答…
でもでも、普段は親馬鹿で私の願いを何でもきいてくれるお父様なのに、今回に限っては全然首を縦には振らない頑固者!

流石に見飽きてきたチーム留守番の3人 (カンダタ・モニカ・ハツキさん)が私の援護に回ってくれる。
最初から期待してない面子の援護…やっぱり効果はまるでなく、お父様の答えはダメダメの一点張り!
ついにはパーティーリーダーの登場で、オマケに付いてきたのはお兄様!
でもでも、効果はまったく無し!
ちっ…相変わらず役に立たねぇ…なんて事は微塵も思っておりません事ですわよ。オホホホホ…

しかしお兄様の機転で、お母様を味方に引き込むウルトラC!
お母様のエロエロパワーでお父様悩殺!…と思いきや、それでもOKしない意固地な男!
愛娘を危険に晒させないという心遣いは嬉しく感じますが、私一人は楽に守れる甲斐性は欲しいです!
更なる問答に1時間以上を費やしたところで、マイダーリンより格好いい一言が!
「リュカさん!マリーは俺が守る!だから一緒に連れて行って下さい!」

か、格好いい…
惚れたわよ…惚れてたけど、更に惚れたわよ…
だがしかし、この格好いい台詞を物ともしない男がココに…
(ゴツン!)
お父様の拳骨が、マイダーリンの後頭部にヒット!

「痛っ「ふざけんな!お前みたいなヒョロ男が、簡単に娘を守るなどと言うな!」
痛がるウルフちゃんの言葉すら遮り、お父様の怒号が辺りに響き渡る。
「でかい口は実力を伴ってから叩け!お前は魔法が使えなければ、何も出来ないじゃないか!剣術だって始めたばかり…そんな男が、危険極まりない洞窟内で、僕の大事な娘を守りきれるのか!?『頑張ったけどダメでした』じゃ、済まないんだぞ!」

うっ…
どうしよう…私ってば愛されている。
転生者として生まれた私は、お父様の娘のフリをしているただの女…
知らぬ事とはいえ、こんなにも愛されている事に感動してしまう。

いやいや…感動してばかりもいられない…
あのダンジョンには宝箱が豊富なのだ!
奥の方の宝箱さえ開けなければ、ミミックも出てこないハズだし、DQ知識の豊富な私が行かなければアイテムが無駄になる!

とは言え、お父様の正論攻撃は絶大で、まだまだ頼り無いウルフちゃんには反撃できないだろう………と思ったのだが、
「守る!…たとえリュカさんが敵だとしても、マリーは俺が守るんだ!」
と、勇まし格好いい台詞を叫ぶマイダーリン♡
「……………」
ついにはお父様も反論できず、渋々だったが同行を承認する事に。

そんなこんなで今こうなった!


珍しく歌わずに洞窟内を進むお父様。
どうやら本当に真面目な様子。
しかも現れる敵はほぼ瞬殺で…私は勿論、お兄様ですら活躍の場面が訪れない。
あの長時間の問答は何だったのか…こんだけ強いんだから、二つ返事で連れてきたって良いじゃない!
サマンオサに残れば、あの不良兵士共に見つかる可能性だってあるのだから、お父様と共に居た方が安全じゃん!
そんな事を考えていると、お父様がポツリと呟いた。
「僕は万能じゃ無いんだ…必ずみんなを守れるとは限らない…」
まるで私の心を読んだのかと思う呟き…
べ、別に私に対して言ったワケじゃないよね!?


暫く洞窟内を奥へ進むと…出ました!
私達を導く様に点在する宝箱…
調子こいて全部開けなければ危険は無いのです!
「まぁ!とれじゃー発見!!」
その事をよく分かっている私は、有無を言わさぬ早さで宝箱に近付き、勢い良く蓋を開ける。
「320ゴールド発見ですわ!」
幸先好調!小遣いゲット!
私は見つけたお金をアルル様には渡さずに、自分の懐へしまい込む!

「マリー!!勝手に宝箱を開けてはいけません!こんなあからさまに置いてある宝箱は、罠以外の何物でもありません!」
しかし、娘ラブなお父様には些か不評で、私を抱き上げ叱り付ける。
「で、でも…宝箱を見つけて、それを無視するのは、宝箱さんに失礼なのでは?」
我ながらふざけた言い訳だ…

「何を意味の分からない事を……ともかくダメな物はダメ!無理矢理付いてきたのだから、お父さんの言う事を聞きなさい!…ウルフ!しっかりマリーを見張っておけ!お前なら分かるだろ…ピラミッドで酷い目に遭った、お前ならば…」
そう言って私の身をマイダーリンへ託すと、お父様はまた先頭に立ち進み始める。
ウルフちゃんも私の右手をしっかり握り、宝箱へ近付かせない様に護衛してくれる。………邪魔ねぇ…


しょうがないので宝箱を見ない様に進む私…
すると少し脇道に逸れた場所に、直径60センチ程の穴が。
確かあの穴に飛び込むと、ラーの鏡が手に入るのよね…
素知らぬ顔で近付いて、ついうっかり的に落っこちれば、皆様を誘導できるのですが、今の私は囚われ姫。
ウルフちゃんが手を離してくれず、自由に動く事が出来ません。
適当な理由を付けて皆様を導きたくても、何にも浮かばない今日この頃…
あぁん!!もどかしいわぁ………



 
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