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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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闇の砂漠

<ドムドーラ>

闇の世界アレフガルドに点在する砂漠の町『ドムドーラ』…
アルル達一行は町へ到着するなり町民達に取り囲まれる。

アレフガルドでは日の光を失って久しい…
誰もがその事実に馴れ、日光無しで日常を送れる様になっているが、誰もが日の光を渇望して止まないのだ。
そんな中、地平の彼方から光り輝く一団が訪れたのだ…
最初はアレフガルドに朝が来たのかと期待をしたのだが、その正体は個人の魔法による人工的な輝きであり、日光でない事に落胆をした物の、それでも松明を凌駕する明るさには憧れを感じ、皆がその一団に群がってきたのだ。

「うわぁ…鬱陶しいなぁ………おいカンダタ!お前とモニカは、町民の方々にレミーラの魔法をレクチャーしてやれよ!魔法が得意な奴数人に教えてやれば、何れこの町全体に広まるはずだから、そんなに時間はかからないと思う………じゃ、ガンバレよ!」
そう言ってリュカは、カンダタとモニカに町民達を押し付けて、さっさと人集りから逃れて行く…
「ちょ!?何で俺達だけなんだよ!?ダ、旦那が一番適任だろ!モニカですら3日…俺なんかは20日も憶えるのにかかったんだ!人様に教えられる立場じゃねーよ!!」
リュカの代わりに町民達に取り囲まれたカンダタは、慌てて助けを求めたのだが…
「うるせー!僕は色々と忙しいんだよ!!」
と言い、ビアンカ・ハツキと腕を組んで振り向きもせず遠ざかる。

「な、何が忙しいだ!?嫁さんと1発ヤリたいだけだろが!!」
もう一人の被害者、モニカから罵声が降り注ぐ!
「違うもんね!嫁さんとだけじゃないもんね!ハツキも居るもんね!それに1発じゃすまないもんね!!つーわけで、僕はスゲー忙しいんだ!」
(ビアンカ)愛人(ハツキ)の乳を揉みながら、自慢する様に言い切り宿屋へと向かうリュカ…
今更ながら、その一方的な態度に呆れ、言い返す事も出来なくなるカンダタとモニカ。
どうやらこの事を見越して、根気強くカンダタに魔法(レミーラ)を教えたのだろう…

「………あ~…じゃ、じゃぁ頑張ってね!」
「お、お二人の部屋も用意しておきますからね!」
パーティー内の良識…勇者2人も、カンダタ・モニカと目を合わせない様に一言告げると、仲良く手を繋ぎながらリュカの後を追う様に逃げていった。
「「あ………」」
最も助けてくれると思っていた2人が、先の人物等と同じ行動を取った事に唖然とし、何も言えなくなってしまうカンダタとモニカ。
そして気付けば逃げられていた…

「ラーミアもリュカと交尾したいゾ!」
「だから…人間は交尾って言わないんだって言ってんだろ!いい加減憶えろよ!」
「あ!…そうだった…えっと…人間は『エッチする』って言うんだゾ!ちゃんとラーミア知ってたゾ!」
「こらこらラーミアちゃん!人前で『エッチする』と大声で言ってはいけません!リュカ君はそう言う悪い子とはエッチしてくれませんよ!」
「そうか!だからリュカはミニモンとエッチしないんだな!?ミニモンは悪い子だからな!」
「ふざけんな馬鹿!俺だってリュカとエッチしたくなんかねーよ!お前みたいなバカと一緒にすんな!」
アメリア・ラーミア・ミニモンがトリオ漫才を行いながら、カンダタとモニカを残して遠ざかって行く…
カンダタとモニカも、この3人に何かを期待する事は出来ないと分かっているので、声をかけることなく逃げて行くのを目で追うしか出来なかった。

マリーとウルフに関しては、気が付いたら既に居なくなっており、逃げ出す姿も確認できなかったのだ!

さて…
その場に残されたのはラングストンのみ…
カンダタとモニカは、彼に視線を移し助けを乞う様な眼差しをする。
「私に何を期待します?出来る事は手伝いますが、レミーラを使えない私には何も出来ないと思いますが?そんな私に何を期待するんですか?」
彼だけが人集りに怯むことなく、カンダタとモニカの困惑ぶりを楽しそうに見学している。何時もの、他人(ひと)をからかう時と同じ眼差しで、困惑する2人を眺め続けてる。
「「………はぁ~………」」
ラングストンの役立たずぶりに、大きな溜息を吐くカンダタとモニカ。
それでも、居ないよりは居た方が精神的に楽なので、ラングストンを伴ってドムドーラの広場で魔法(レミーラ)教室を開催するカンダタとモニカ。
後のアレフガルドで、レミーラの魔法を伝え広めた偉人と言われる2人の第一歩がここから始まるのだった。

………ご苦労様です………




その日の夜…
魔法(レミーラ)教室の名誉教師、カンダタとモニカの帰還をアメリアの部屋で迎えると、そのまま本日仕入れた情報を各々公開する事に…
何だかんだ言っても、それぞれがドムドーラで情報収集をしていたのだ。

「カンダタ・モニカ、お疲れ様。この町の人々も、貴方達のお陰で暮らし易くなるわね!」
まず一番にアルルが労いの言葉を2人にかける。
「あぁそうだな。やっぱり魔法の才能がある奴は凄いぜ!半日でマスターしちまうんだから…」
「……で、アンタ等も色々手を尽くしたんだろ?アタイ等だけに苦労させておいて、本当に○○○やってただけだったら許さないよ!」
モニカがリュカだけを睨み、本日の成果を問い質す。
「え?…いやぁ~…頑張ったんだけど…」
妙に歯切れの悪いリュカ…皆『リュカには情報無し』と悟り諦める。

「ふん!頑張って何も無しかい!?」
「う~ん…結果が分かるまで、時間がかかるよ!一生懸命子作りに励んだけどね…」
「「「……………」」」
誰もが言葉を失った…
当然の様にエッチの報告をするリュカに…
「え!?ヤ、ヤダ…そ、そう言う意味じゃないわよリュカ!」
「そ、そうですよ!私達、そんなに頑張ってませんし…何時もの半分だったし…」
ビアンカは顔を真っ赤にして、意味が違っている事を指摘する…ハツキなどは、最早パニックでただの暴露になっている。
「そ、そう言う意味じゃねーよ!何か今後の旅に役立つ情報等を仕入れたかって聞いてんだ!」
「あぁ!そう言う意味かぁ…」
分かっているクセに大きく頷いて理解してなかった様に振る舞うリュカ…

「うん。それだったら町外れの牧場でレミラーマを唱えたら、こんな物を拾いました」
そう言うとリュカは懐から、鈍い輝きを放つ綺麗な鉱物を取り出し見せる。
「え~とね…町の人にコレを見せたら『オリハルコンじゃないか!?凄く貴重で、凄く堅い鉱物だ!遙か北の村…マイラで、オリハルコンを加工する事の出来る鍛冶屋が居る。これだけの量があれば、結構凄い武器を作ってもらえるぜ!』って、言ってたよ」
女性陣は皆オリハルコンの鈍い輝きに見とれながら…男性陣は、そんな女性陣に見とれながらリュカの話を聞いている。

「ではでは…マイラに行って、偉大なる勇者様専用の格好いい武器作ってもらいましょう!」
マリーがオリハルコンの輝きに見とれながらも、今後の冒険方針に導きを入れる。
「いや…僕はいらないよ。アルルにだけ最強の武器を作ってあげてよ」
「はぁ?私はそのつもりで言ったんですが…お兄様は何を勘違いしてるんですか?」
ティミーの勘違いな一言に、兄に対してとは思えない口調でマリーが言い返す。
「私は『偉大な勇者様』と言ったんです!『偉大な』ですよ!…最近、女遊びを憶えたからって、一端の英雄気取りですか?英雄の条件とは、色を好む事なんですよ…つまり、お父さんみたいな節操無しの事なんですよ!分かってますぅ? (ニヤニヤ)」
まるでポピーと会話をしている様な感覚に陥るティミー…
最近アルルにかまけ、妹を蔑ろにしたツケが回ってきたのだと思い、大きく落胆する…

「お、女遊びなんかしてないよ!僕はアルル一筋なんだから…それに、それだったらアルルだって英雄の条件を満たして無いじゃないか!」
真面目っ子ティミーには、さらりと流すという芸当は出来ず、ついついムキになって反論してしまうのだ。
だが…
「アラ、お兄ちゃんは知らないんですか!?アルルお姉さんの…ゲフンゲフン、何でもありません事ですわよ…オホホホホ!」
「な!?ちょ、ちょっとマリーちゃん!勝手なデマを流さないでよね!私はティミー一筋よ…他の男となんて…その…あ、遊んでは…いないわ…よ…」
やはり真面目っ子アルルも、ムキになって反論してしまう…
それが笑いの種になっていると分かっていても。



 
 

 
後書き
前回カンダタに優しく接したリュカ…
やっぱり裏があったんですね。 
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