DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)
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世の中そんなに甘くない
イヤ~ン!!
超美少女魔道士マリーちゃんがピンチですぅ~!!
顔と頭と手癖と根性と性格と遺伝子と存在自体が最悪な男に、グッチャグチャのメッチャメチャにエッチィ事されてしまいますぅ~!!
だ~れ~か~、た~す~け~て~!!!………ってな事には勿論ならず、ヨダレ垂らして近付いてきたロリクズ野郎は、『あっ!』っちゅー間にやられちゃいました。
お父様は一瞬で私を左脇に抱えると、空いた右手をロリクズ野郎の鳩尾に押し当て、そのままの勢いで壁に押し付けちゃったのですよ!
「うげぇ!て、てめぇ…何しやが…ぐはぁ!」
尚も状況が分かっていないロリクズ野郎は、お父様に向けて文句タラタラ…
だからお父様も、ちょっとだけ力を入れてグイグイっと壁に押し付けちゃうの!
そしたら『ぐはぁ!』って感じで吐血フィーバー!
汚くて嫌なので、私はウルフちゃんの方へ避難します。
「黙れ!貴様の様な男に、俺の大事な娘を差し出すわけが無いだろうが!貴様の腐った目玉で、娘を見られるのさえおぞましいのに、汚い手が娘に触れる事など許せるか!!」
きゃー!
惚れてまうやろがー!
お父様、かっちょいいッスわぁ………
普段アレでも、いざとなったらキメられる男ってポイント高いよね。
しかしロリクズ野郎はまだ諦めず、慌てて腰の剣に手を伸ばすけども………そんな事をお父様が許すはずもなく、剣へ伸ばした腕を捕まれ、今度は床に顔から押し付けられ、腕を捻り上げられる。
ちょ~痛そー!!
私はニヤニヤが止まりませんです。
出来る事なら私自身がヤツの腕を捻りたいです!
「ぐぁ…き、貴様等…こんな事をして、ただで済むと思っているのか!」
「くっくっくっ………こんな事しなくても、ただでは済まないんだ…お前がさっき言ったんだ。明日には拷問されて、処刑されると…だったらお前に何をしても、これ以上酷い状況にはならないだろ!?従って数々の鬱憤を晴らす為に、お前を痛めつけてやる!覚悟しておけ…お前が今までにしてきた事が、全部お前に返って来るんだから!」
全くその通りだ。
ヤツの言い分を尊重すれば、今此処で何をしようとも明日には拷問が待っているのだから、これ以上酷い事になりようがないのだ!
とは言え…ちょっとばかりお父様が怖いですぅ…
この国の状況がストレスになっているのか、それとも私をイヤラシイ目で見た男に怒りを感じているのか…
後者だと嬉しいけど…
「ま、待ってくれ!お、俺が悪かった…だから…」
このロリクズ野郎にも、お父様の怒りが伝わったらしく、命乞いを始めた。
「み、見逃す…お前等全員見逃す!だから助けてくれよ…な!?頼むよ!」
「見逃す……?馬鹿か、お前は!?お前一人が、僕達を見逃してどうなる?明日には、お前の仲間が大挙して僕達を捜すだろう!それに、この城からすら逃げ出せるか分からんし…だから決定なんだよ!お前の事を痛めつけるのは!くっくっくっくっ………」
おや?
どうやらお父様はもう怒って無い様だ。
自分の事を『僕』って言ってる。
つー事は、このロリクズ野郎を脅す芝居に入ったってことね。
うん。娘がファザコンばかりなのも頷ける。
「だ、だったら良い事を知っている!この牢の奥に、緊急用の脱出用隠し通路があるんだ!俺も現物を確認した事は無いんだけど、間違いなく存在するんだよ!」
「いい加減諦めろ!そんな戯れ言を真に受けるわけ無いだろ!どうせ行った先には、お前の仲間が待機しているんだろ!くっくっくっ…そろそろ時間だぞ…存分に楽しむんだな!」
薄暗い牢屋に、お父様の陰湿な笑い声が木霊する…
コレってばお芝居よね!?
そろそろ私もフォローした方が良いかしら?
「お父様、私その人が本当の事を言っていると思います。きっとこの奥に隠し通路がありますわ!」
実際、あるしね!
「リュカ…私も其奴の言っている事は、本当だと思うわよ。それにもし嘘ならば、その時に其奴を殺せば良いのよ!焦る事は無いわ」
「そうですよ父さん。仮に隠し通路を抜けた先に、コイツの仲間が待機してたとしても、その時はコイツを盾にして戦えば良いんです!コイツは仲間に切り刻まれながら死ぬんです!」
お!珍しくお兄様までもが残酷な事を言ってのける…
「う~ん…そうだな!逃げられるチャンスがあるのかもしれないな!」
私達はこのゲスの言う事を信じたフリをして、牢屋の奥へと進んで行く。
その間もお父様は、このゲスの腕を捻り続けているわ♥
大分奥へと進んだ所で、2カ所の牢屋から人の気配を感じた。
中を覗くと、見るも無惨な状態の男女が………
「アルル…最後の鍵で…」
お父様が、怒りの篭もった声でアルル様に指示を出す。
男性の方は、長時間に渡り拷問されたらしく、体中から血を流している…
私にはとてもじゃないが見ている事が出来ない…
更に女性の方はあからさまにレイプされており、自身の血と白く濁った液体が体中に付着している…
私は今すぐにでも、このゲス野郎を殺してやりたい気持ちに襲われる。
しかし、今はともかく2人の治療が先決!
ウルフちゃんとハツキさんが、優しく2人にベホイミをかけている。
男性の方は、数カ所骨折している様なので、慎重に骨のズレを修正して回復させている。
ある程度回復した所で、2人の話を聞いてみた…
すると、2人は夫婦の様で、男性の方などは城に勤める兵士だったそうだ。
「何故、兵士の貴方が投獄されたのです?」
お兄様の疑問は尤もだけど、そんな事分かり切っている…
このゲス野郎のお友達共が、身勝手な理由でお2人を貶めたに違いない!
「それがよく分からないんです…町の者から聞いた『ラーの鏡』の情報を王様に伝えた所、急に激怒してテロリストにされました…妻まで捕らえて…」
おっと!どうやら私の読みは違った様だ。
重要情報を持っていたから、あのバケモノ王に投獄させられたみたい。
「ラーの鏡…それは何処にあるのか分かりますか?」
「えぇ…サマンオサから南東にある洞窟の奥に…」
『ラーの鏡』と言う単語に、お父様が笑顔になった。
「よし…それがあれば、あの王様がモンスターであると証明出来るぞ!ティミー、アルル…これで無実の人を傷つけずに、この国を救う事が出来るはず…ともかく、此処を脱出してラーの鏡を入手しよう!」
あれ…?
何だろうか…?
お父様が大丈夫って言うと、何だかとっても安心出来る!
まだラーの鏡を手に入れたワケじゃ無いのに…
ボストロールを倒せるワケでも無いのに…
お父様の言葉には安心感が篭もっている…
不思議だ?
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