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QUIZ ON THE DEAD 〜クイズ・オン・ザ・デッド〜

作者:悠介
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第1章 ゲーム開始
  THE QUIZ 2

 翌日、金曜日。悠介はいつも通り学校に向かった。玄関口で靴を脱いで中に入ろうとすると、コンクリートの床に乗せてある板が音を立て、玄関口に居た生徒達の注目の視線を浴びる事になった。だがその中には、昨日の参加者発表を観て、悠介が発表された事を知る生徒も何人か居た。だから、視線の中には同情が含まれている物もあった。

「おい! お前等!!」

 玄関口に大きな声が響いた。悠介がその方を向くと、悠介の親友・神田真一が居た。同情されている悠介が可哀相で、悠介を見ていた生徒を怒鳴りつけたのだった。真一が近寄って来た。

「おい、大丈夫か?」

「心配は要らない。大丈夫だよ。こう見えて俺、緊張には耐えられる性格だから」

「あいつら最悪だよな。同情の視線向けるなんてよ」

「…………」

 お前が1番同情してるじゃないかと言いたくなったが、喉元まで出掛かりやめた。真一はただ1人の仲間なのだ。友達を失いたくはない。

「おっはー。元気だった?」

 と、元気良く真一が教室に入って行く。悠介はそれに続こうとした。だが廊下でもチクチクとした同情の視線を向けられ、悠介は精神的にマイっていた。
 悠介が教室に入った途端、騒々しかった教室内がシン……と静かになった。それでもその視線に負けず悠介が自分の席に向かって行くと、後ろから声を掛けられた。

「ねえ、悠介」

 振り返ると、そこには幼馴染の相田友香が立っていた。こいつは大の馬鹿正直で、自分の正しいと思う事はどんどんやり抜くタチだ。今は何と生徒会長になっている。いつまで続くか見ものだと、悠介達はいつまで続くのか賭けている。幼馴染と言う事もあって、今は少し友香の事が好きな悠介は、言い出せずに居る。

「ねえ……昨日の発表、見たよ」

 自分の好きな人にこの言葉を言われるのは本当に辛い事だ。付き合っていたら尚更……。だが悠介は友香と付き合っていなかったので、精神的ダメージは少なくて済んだ。

「ああ……だが俺は絶対に生き残ってやる。こんな狂った世界から抜け出してやるんだよ!」

「頑張ってね」

 友香が、手を差し出して来た。だが悠介は恥ずかしくて、それには応じず席に着いた。
 朝のホームルームが始まった。すると担任の佐藤が、こんな事を言ったのだ。

「昨日の参加者発表見た人、手を上げて」

 すると教室の中で十数人が手を上げた。佐藤は続けた。

「悠介君……残念だったわね。大丈夫? 今日はもう帰ったら?」

「はい……ちょっとそうさせて貰います」

 悠介はカバンを持って席を立った。その間にも、数々の悠介に突き刺さる視線。悠介は耐え切れず、全速力で走り出した。

「悠介!!」

 そんな真一の叫びも悠介には届かなかった。悠介は玄関口も靴を持って走り抜けた。そして校門を出た時、涙が溢れ出して来た。

「うっ……ううう…………」

 友人達にだけは、同情されたくなかった。強い自分を、見せ付けようとした。だが無駄だった。その同情の痛い視線は、悠介をいつの間にか追い詰めていた。

「うあああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!」

 悠介は絶叫した。とにかく、胸のモヤモヤを晴らしたかった。だが無駄だった。しかし悠介は、いつまでも、いつまでも叫び続けていた……。 
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