初デート。
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初デート。
今、二人は初デートをしている最中です。二人はつい最近付き合い始めたばかりです。
男の子は高校1年生で名前は春二盛。黒髪で短髪です。服装はカジュアルでニカッっと笑う笑顔は、爽やかなスポーツ青年のようです。
女の子は同じく高校1年生で名前は花草未空。先生には分からない程度に髪の毛を茶色に染めて、目は子犬のようにウルウルしています。髪はセミロングです。服はスカートとか履いています。
さあ、二人の初デートを覗いてみましょう。
「今日どこに行く?」
盛が未空に言います。
「うん? どこでもいいよ。盛と一緒なら」
未空は頬をほんのりと桜色に染めて恥ずかしそうに言いました。
「うーん。遊園地はここから遠いしなー」
「私は、盛と一緒なら、ゴミ屋敷だって宮殿に変わるよ」
未空は頭の後ろをポリポリと掻きます。
「そうだ。遊園地はないけど、最近全国に出来たアクティビティーがあったんだ」
「アクティビティーって何?」
「俺の、俺の、俺の話を最後まで聞けえ~~」
未空は体をビクンと震わせました。
「う、うん」
「最近な全国に山田アクティビティーというのが出来たんだ。全国の山田さんが任意で加盟しているアクティビティーがあるんだ」
「ふんふん。それで、それで?」
「この近くの山田さんの家には数多くのアクティビティーが存在しているんだよ」
「えー!!」
「おいおい、なんだその両手を下に伸ばし、体を直立させた漫画的反応は。どうする? 山田アクティビティーをやってみるか?」
「やってみるみるー」
未空はご馳走を食べる直前のようにどこか、そわそわとしています。
「じゃあ、すぐそこの山田さんの家にまずは行ってみよう」
「うん。どんなアクティビティーがあるの?」
「まずは玄関のチャイムを鳴らすんだ。そして、山田さんが玄関から出てきたら、ダッシュで逃げる」
「えー。それのどこが面白いの?」
「今から行く山田さんは昔、悪だったらしいんだよ。だから必死で逃げないとやばいことになるよ」
「でも、ただのアクティビティー。ゲームなんでしょ」
「馬鹿だなお前は。ゲームは真剣にやるからこそのゲームなんだよ。逃げる側も本気、追いかける側も本気なんだよ。決して手を抜いちゃだめだぞ」
「うん」
「じゃあさっそくピンポンダッ、いやアクティビティーを始めよう」
そのアクティビティーは何とか逃げ切れることが出来た。その後、他の山田さんを殴るアクティビティー、山田さんに電話を無言で掛けるアクティビティー、インターネットで山田さんの悪口を書き込むアクティビティーを行った。
「すごいね。全国の山田さんが加入しているアクティビティーは面白いね」
未空は目をキラキラと輝かせながら言いました。
数日後、未空の家に警察がやってきました。
「花草未空さんですね。山田さんに対する数々の容疑で署までご同行願います。あなたの恋人の春二盛くんはすでに警察署にいます」
「ちょっと、何で盛が刑務所にいるの? もしかして私、騙されたー? もう盛のバカバカー。もう絶交よ」
花草未空は顔をぷーっと膨らませて言いました。
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