スーパー戦隊総決戦
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第十四話 伊勢巡りその四
「シュリケンジャーさんって一応疾風流と迅雷流の両方の免許皆伝なんですよね」
「その通り」
ここで今度は巫女の服を着た妙齢の美女が出て来た。彼女こそは。
「貴殿、生きておられたのか」
「久し振りだな、皆の衆」
これはハリケンジャーの面々への言葉であった。彼女こそは。
「まさか御館様、生きておられたなんて」
「嘘・・・・・・」
「私はあの時九死に一生を得た」
彼女はこう答えたのだった。
「何とかな」
「ミーと一緒さ!」
シュリケンジャーがここで言う。
「だから何の問題もなし!」
「強引過ぎないか?」
「うん、しかもここ高野山だよ」
真墨と蒼太もこの展開には言わざるを得なかった。
「死んでいた者が生きているというのも」
「しかもお寺で巫女さんの服は」
「けれどあの服可愛いよね」
「菜月、そういう問題ではありませんよ」
さくらが能天気な菜月を窘める。
「この方がここにおられるということが」
「物凄く不思議なんだ」
菜月の返答は今一つ要領を得ないものだった。
しかし暁と映士はだ。かなり不思議な顔をして話すのだった。
「おい、生きているな」
「間違いない」
「どういうことなのだ、これは」
「私にもわかりません」
流ノ介は真顔で丈瑠に返す。当然丈瑠にもわからないことだった。
「何故。あの方が生きているのか」
「確かに死んだと聞いているが」
「足ちゃんとあるし」
ほのかは御館様の足の方を見ていた。はっきりと見えている。
「本物?それやったら」
「外国の幽霊は足あるわよ」
しかしこのことには茉子が言ってきた。
「それに昔の幽霊もちゃんと足あったし」
「じゃあ本当に幽霊なのかよ」
千明もそうとしか見ていなかった。
「高野山ってのは出るのかよ」
「親分、幽霊が相手ならどうするんだ?」
「御札持って来い、御札よ」
源太はダイゴヨウにこう叫んでいた。
「それを貼って怨霊退散だ、御経も忘れるな」
「合点だ!」
「おい、十字架持って来い!」
「そうだね、あと銀の弾丸!」
走輔と範人が喚いている。
「それとお祓い棒だな!」
「巫女さんのね!」
目の前にいる相手が巫女の服なのも忘れている。
そしてそれはこの二人も同じだった。
「軍平、これを使うっす!」
「塩に松脂かよ」
連は軍平にそれを出してきていた。何処からか出してきたのである。
「退魔っすよ。これを使ってやっつけるっす!」
「おうよ、怨霊退散!」
「祓い給え清め給え」
大翔は僧服を着て魔除けの儀式にかかっている。ただしその儀式の内容は神道のそれである。かなり混乱した様子なのが見てわかる。
「悪霊よ、成仏するのだ」
「そうよ、御願いだから成仏して」
「貴女は死んだから」
早輝と美羽は数珠を持ってこんなことを言っている。
「さあ、もうね」
「冥土に戻って」
「エブリバディ勘違いしているよ」
ところがここでシュリケンジャーが肩を竦めさせて言ってきた。
「御館様は生きておられるよ。それ言ったじゃない」
「えっ、本当!?」
「そういえばそんなこと言ってたけれど」
「それでも」
彼等が勝手に暴走していたのである。結局のところそうだった。見ればゴーオンジャーの面々以外もそれぞれ雑多な宗教の服やものを持ってそのうえで御館様に向かっていた。甚だ混乱しカオスな状況だった。
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