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ヘタリア大帝国

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TURN53 ハワイの戦いその一

              TURN53  ハワイの戦い
 ルースは官邸でハンナ、クー、ドロシー、それにアメリカ妹と共にいた。そのうえで目の前にいるそのスタッフ達にこう言うのだった。
「そろそろだね」
「ええ、ハワイで決戦よ」
「太平洋軍が来ています」
 ハンナとクーがルースに答える。彼等はいつも通り官邸の円卓に座りそこでピザやコーラを楽しみながら話をしている。
 ルースはアメリカ妹が出してくれたピザの一切れを礼を述べてから受け取り一口食べてからこう言うのだった。
「戦力的には問題ないが」
「間違いなく勝てるわ」
 ドロシーが淡々と答える。
「ミスター、安心して」
「そうだね。私もそう思うが」
「あたしも行けば完璧だったね」
 アメリカ妹は笑顔でこんなことを言った。
「そうしたら太平洋軍に絶対に勝てたわ」
「駄目よ、妹さんは次の段階でのね」
「決戦兵力っていうのね」
「そう。大西洋のドワイト提督も呼び寄せてね」
 ハンナは自分の向かい側の席で威勢よく言うアメリカ妹に微笑んで言う。
「あと今はUSJにいる」
「ダグラス提督も入れて」
「一気に攻めるわ。日本本土で決戦よ」
「そこで日本を叩いて」
「降伏させる為の決戦兵力だから今はね」
 このワシントンでその次の段階への準備をしていて欲しいというのだ。
「このままでいてね」
「じゃあハワイはキャロルと兄貴に任せるのね」
「イザベラ提督もいるしフィリピンさんもいるわ」
「とりあえずハワイでの決戦は兄貴達がやって」
「妹さんは祖国さんとキャロル達が勝ったらすぐに太平洋に大軍を率いて行ってもらうから」
「それと呼応してです」
 四姉妹の中でルースやアメリカの副官格のハンナが話す。
「中帝国も反撃に出ますので」
「キャヌホーク提督がそこにいるから」
 ドロシーも言う。
「ハワイ戦の次は東西から一気に日本を攻めて」
「日本には降伏してもらうわ」
 ハンナは悠然と足を組んで腰を掛けている。そのうえでストローでコーラを飲みながらこうも言う。
「それで後は私達はその日本を助けてあげるのよ」
「ソビエト戦を行なう日本を援助する」
 ルースがぽつりとした感じで言う。自分の席にうずくまる感じでそこにいる。
「予定通りだね」
「プレジデントは太平洋経済圏を確立した偉大な大統領になるわ」
「それはいいことだがね」
 こうは言ってもあまり浮かない感じのルースだった。それで今自分に言ったハンナにこんなことも言ったのである。
「国務長官、一つ気になるのだが」
「何かしら」
「いや、我々の戦争は最低限のものだね」
「太平洋経済圏確立の為のね」
「戦争をするよりビジネスをした方が遥かに実入りがいい」
 資産主義経済の基本だ。戦争なぞしては流通が阻害されビジネスどころではない。
「それはその通りだね」
「貴方もそれはよくわかっていると思うけれど」
「わかっているよ。ただね」
「ただ?ソビエトやドクツのことかしら」
「彼等は我々とは全く違うね」
 ルースは首を傾げさせながら話す。
「共有主義、ファンシズムというものは」
「どちらも私達とは全く相容れないわね」
「彼等とは日本帝国の様にはいかないか」
「日本は叩くだけでいいわ」
 ハンナも日本についてはこれでいいと考えている。そもそも太平洋経済圏の確立も日本を少し叩いてからソビエトにぶつけるのも四姉妹の実家である四大財閥の考えである。
 それで四大財閥を代表するロック家の名代であるハンナもこう言うのだ。
「あの国はね」
「しかしソビエトは違う」
「あの国は危険よ。共有主義なんて冗談じゃないわ」
 ハンナは嫌悪さえ見せて言う。
「それにドクツも」
「ファンシズムは民主主義ではないね」
「むしろ共有主義ね」
 ハンナもまたファンシズムはそれだと認識していた。
 
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