スーパー戦隊総決戦
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第十二話 聖杯の主その十
「一つそうした場所があります」
「そうだな。あそこだな」
幸人も察してきた。
「あの街だ」
「そうだね。そこは」
仙一は逆立ちしている。彼のシンキングポーズである。
そのポーズで考えながらだ。彼は言うのだった。
「あの街だ」
「神戸ね」
麗が話した。
「あの街なのね」
「そうか、神戸か」
「あの街にか」
ここで皆気付いたのだった。
「あの街に聖杯の城が現われる」
「それで聖杯がそこに戻る」
「そういうことなのね」
「私はその街にいる」
また言うパルジファルだった。
「戦士達よ、そこに来るのだ」
「よし、言ってやるぜ!」
「今からその街に!」
戦士達はそのことを誓う。ついでに敵の面々もだ。
「よし、ステーキじゃステーキ」
「靴も選ぶぞ」
ヴァッフォとミゲラはまずこのことを言った。
「肉が食えるぞ」
「それにいい履物も見つけてな」
「肉は何時でも食えないか?今時」
突っ込んだのは薪人だった。
「っていうか野菜食えよ」
「野菜も食うぞ」
「これでも健康には気をつけておる」
それも忘れていないヴァッフォとミゲラだった。そういうところはしっかりとしている。他の部分については甚だ疑問ではあるがだ。
「では早速神戸にじゃ」
「行くとしよう」
「ああ、もしもし」
シズカは何処からともなく携帯を取り出して話をはじめた。彼女は鬼の雪隠のところにいるので屋内での使用にはなっていないのがよかった。
「はい、ダークシャドウです。神戸までタクシーを御願いします」
「おい、馬鹿か御前は」
すぐにゴウが彼女に突っ込みを入れる。
「神戸までタクシーってどれだけ金がかかるんだよ」
「あっ、そうか」
「そうだよ。何考えてるんだよ」
「すいません、今のはなかったことにして下さい」
すぐにこう電話するシズカだった。何はともあれ緊張感はない。
「それじゃあ奈良交通からバスを借りて」
「俺が運転しよう」
今度はヤイバが言う。
「それではな」
「頼んだわよ、私大型車運転できないから」
シズカは相変わらずの能天気な調子でそのヤイバに言う。
「そういうことでね」
「わかった、それではな」
「さて、では今度は神戸じゃな」
月光もあらためて言う。
「さてさて、今回の戦いは何かと動き回るのう」
「では早速行くとしよう」
マスターシャーフーも何でもないといった調子で皆に話す。
「中華街もある。神戸も楽しいぞ」
「豚足だ!豚足ラーメン食う!」
ジャンはこのことばかり考えている。
「あれ一度食ってみたかった!」
「私三重に行きたかったけれど」
ランは何故かそこを望んでいた。
「三重もいい場所よ」
「そういえば三重も海と山だよね」
レツはそのことに突っ込みを入れた。
「伊勢とかね」
「だがそこではない」
パルジファルはそれはしっかりと言った。
「神戸だ」
「神戸か」
「そこで遂に」
「私はそこにいる」
パルジファルの言葉は続く。
「諸君をそこで待っている。それではだ」
「わかったぜ。神戸なんだな」
走輔がそこまで聞いて言ってきた。
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