| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

スローボールも武器

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

第一章

               スローボールも武器
 佐々木朗希投手がドジャースと契約したと聞いてだ、根室寿は自分の家で言った。
「活躍して欲しいな」
「それだけ?」 
 その彼に妹の千佳が突っ込みを入れた。
「他には思わないの」
「ロッテの人だからな」
 寿はそれでと答えた。
「パリーグだろ」
「阪神セリーグだしね」
「それならな」
 どうかと言うのだった。
「どうでもいいよ、何かパリーグファンの人で喜んでる人いるけれど」
「特にホークスね」
「強敵がいなくなったって」
「いや、ホークスはその代わりに石川投手いったでしょ」 
 千佳は冷静に返した。
「ホークスからね」
「ロッテにな」
「じゃあ一緒でしょ」
「石川投手マリンじゃ凄いしな」
「むしろ頼れる先発投手が一人敵に行って」
「やばいな」
「だから動いてね」
 ホークスとしてもというのだ。
「新戦力手に入れたけれど」
「佐々木投手いなくなってもか」
「あそこにとってもピンチでしょ」
「そうだけれどな、喜んでるんだよ」 
 パリーグファン特にホークスファンはというのだ。
「優勝の障壁がいなくなったってな」
「そういうことね」
「けれどパリーグの話だから」
 寿は何でもないといった顔で述べた。
「僕にとっては」
「どうでもいいことなのね」
「阪神に来たら嬉しかったけれどね」
「それ言ったらカープもよ」 
 ここで兄妹それぞれの愛するチームを出し合った。
「佐々木投手に来て欲しいわよ」
「それで活躍して欲しいか」
「是非ね、あの速球は凄いわ」
 千佳は佐々木投手の武器の話もした。
「一六五キロ出るし」
「流石は完全試合達成しただけあるな」
「本当にね」
「僕もそう思うよ、ただ」 
 ここでだ、寿は妹に言った。
「速球だけじゃないからな」
「佐々木投手の武器は?」
「いや、ピッチングがだよ」
 そちらがというのだ。
「佐々木投手は変化球も速いな」
「スライダーとかね」
「山本由伸投手や大谷翔平選手と同じで速球派だな」
「変化球も含めて」
「けれどそれだけじゃないんだ」
 妹に強い声で話した。
「遅いボールも武器になるだろ」
「ああ、そうね」 
 言われてだ、千佳も頷いた。
「遅いなら遅いなりにね」
「武器になるな」
「だから変化球でも」
 そう区分されるボールでもというのだ。
「遅いボールあるわね」
「チェンジアップにスローカーブだな」
「あとね」 
 他にもというのだ。 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧