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一見毒舌系でも

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第一章

                一見毒舌系でも
 ユーチューバーのポンズンキッス本名富沢佳奈は毒舌で知られる、社会の色々なことに笑って辛辣なことを言う。
 それが人気であってだ、その彼女とだ。
 コラボ企画をすることになったゲーム実況ユーチューバーの泥人形本名大熊三四郎は困惑した顔で言った。
「大丈夫でしょうか」
「心配ですか?」
「はい」
 マネージャーに話した、小柄で丸顔の太った黒髪をセミロングにした二十代の男だ、本職はコンビニの店員で八条芸能所属である。
「かなり。同じ事務所でもです」
「お会いしたことはなくて」
「はい」 
 それでというのだ。
「本当にです」
「毒舌系なんで」
「何言われるか、いや僕実は」
 マネージャーにさらに話した。
「言われるの苦手で」
「毒舌を向けられると」
「かなり堪えます」
 そうだというのだ。
「本当に」
「安心して下さい、ユーチューバーとしては毒舌ですが」
 マネージャーは大熊に笑顔で話した。
「素顔はです」
「そうじゃないですか」
「はい」
 そうだというのだ。
「ですから」
「安心してですね」
「コラボ企画やって下さい、台本通りにやってくれるので」
「僕も台本読んで」
「企画やって下さい」
「それでは」
 こう話してだった。
 大熊は富沢と一緒に企画をすることになった、最初の打ち合わせの時彼は富沢が時間通りに来るかも不安だった。
「あの人時間なんて知らないとか」
「言ってますね、ご自身のチャンネルで」
「はい、ですから」
「ですからそれはユーチューバーとしてで」
「ご本人はですか」
「違いますから」
「じゃあ時間通りですか」
 マネージャーにこのことを確認した。
「来てくれますか」
「はい」
「そうですか」
 そんな話をしていると打ち合わせ場所の事務所の会議室に癖のある黒いボブの髪に丸顔で明るい顔立ちの小柄で胸がやや大きい二十代の女性が来た、スラックスにティーシャツというラフな格好である。
「はじめまして、ポイズンキッスです」
「はい、泥人形です」
 打ち合わせの五分前に来た、そしてだった。
 二人はマネージャー大熊のマネージャーは富沢のそれでもあったので三人で話をした、その話の後でだった。
 マネージャーは動画編集の為家に戻った富沢本職はアパレル会社で働いているという彼女を見送った彼に囁いた。 
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