アイドル並の可愛さ
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第二章
「ロボットと違ってね」
「それはそうですがやっぱり外見はです」
「よかったら注目されるのね」
「そうです」
まさにというのだ。
「そうなります」
「そうなのね」
「それで、です」
栗原はさらに言った。
「これからもです」
「私に取材がよく来るのね」
「そうなります」
まさにというのだ。
「ですからそちらも頑張って下さい」
「外見がそんなに関係あるかしら」
子供の頃から勉強や科学や工学の本ばかり読んでいて今も研究一筋の津山は人の外見はあまり気にしなかった、それでだった。
栗原に言われてもピンとこなかった、だが。
取材は多く彼女はその取材に全て真面目に応えた、すると雑誌でもテレビでもネットでも可愛いそれもアイドル級だと言われ。
どんどん評判になった、だがあくまでだった。
「私は外見のお仕事じゃないから」
「ロボットの開発者ですね」
「科学者でね、だからね」
それでというのだ。
「そうしたことは別にいいわ」
「そうなんですね、じゃあ大事なのは」
「研究内容でね、あと人としてはね」
仕事を離れてというのだ。
「人格がね」
「大事ですか」
「ええ」
こう言うのだった。
「だからね」
「外見はですか」
「いいわ、それで私栗原君の真面目で優しい性格好きよ」
「あの、それって」
栗原は津山の今の言葉を受けて赤面して応えた。
「まさか」
「何?」
「いえ、先輩に応えられる様に頑張ります」
「何かわからないけれど頑張ってね」
「そうしていきます」
こう津山に答えた、それから実際に彼は仕事でも人間性を磨くことでも頑張りやがて津山に告白してだった。
結婚することになった、その時津山は彼の外見ではなく性格が好きだと言った。アイドル級の外見はそのままだったがここでもそれはどうでもよかった。
アイドル並の可愛さ 完
2025・2・19
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