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野良の白い雄猫が

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第一章

                野良の白い雄猫が 
 その白い年老いた右耳が垂れた雄猫を保護してだ、保護団体の職員で保護猫カフェブラックキャットマーケットを経営しているリズ=マーチン長い銀髪でグレーの目の六十代の女性はすぐにこう言った。
「この娘は長い間苦労したけれど」
「それでもですか」
「幸せになれるわ」
 若いスタッフに話した。
「というか私達がね」
「他の子達にそうしている様に」
「ええ、必ずね」
 努力してというのだ。
「幸せにしましょう」
「そうしますね」
「だからまずは診断をして」
「問題があれば治療して」
「そしてね」 
 そのうえでというのだ。
「カフェにも入れて」
「里親を探しますね」
「そうしましょう」
 野良猫のコロニーに迷い込んでそこで他の猫達を喧嘩をしたところ保護された老猫を見て話した、そしてだった。
 診断の結果問題はなく落ち着いてからカフェに入ったが。
「あら、この子」
「優しいですね」
 マーチンも若いスタッフも言った、見れば白猫フェタと名付けられた彼は早速店の内気なグレーの雄の子猫に寄り添ったのだ、そうしてだった。
 いつも面倒を見た、それで二人もあらためてわかったのだった。
「いい子だから」
「きっとですね」
「幸せになれるわ」
「そうですね、ですから」
「あの子猫、マイクも里親が見付かったし」
「フェタもですね」
「きっと見付かるわ」
 このことを確信していた、そしてだった。
 実際に店に来た客の一人アシュリー=マジソン黒い髪と目のアフリカ系のたた太った大柄な彼女がフェタを見てすぐにマーチンに話した。 
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