子供達を助けて欲しくて
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第一章
子供達を助けて欲しくて
イスタンブールの動物病院で働いているエミール=メルキ黒い髪と目に彫のある顔立ちの若い獣医である彼は自分の動物病院の前に一匹の茶色の中型の雌犬が来たのを見た。
「あれっ、何か咥えてるな」
「クゥン」
「クン・・・・・・」
「子犬だな」
彼にはすぐにわかった、それでだ。
病院の院長であるバトゥラルブ=ドガンに話すと薄毛の中年男性である彼ははっとなって彼に言った。
「三日前茶色の小さな子犬がご近所の人に連れて来られて」
「はい、栄養失調で弱っていて」
「助けたけれど」
「その母犬でしょうか」
「それでね」
ドガンはさらに話した。
「まだ子犬がいて」
「その子も弱っていて」
「最初の子がうちで保護されたのを見ていて」
そうしてというのだ。
「その子もってなったのかな」
「そうなんですね」
「犬や猫は大事にする」
ドガンはメルキに言った。
「我が国のモラルだし法律だよ」
「それならですね」
「是非助けよう」
こう言うのだった。
「そうしよう」
「はい、それじゃあ」
メルキも頷いた、そして母犬を病院に入れてだった。
彼女が咥えていた子犬を預かりドガンと一緒に治療をはじめたが。
「治療室にまでついてきて」
「後ろ足で立って診療台に前足を乗せて見ているね」
「僕達の治療を」
「そこまで心配しているんだ」
「親だから、それなら」
メルキは強い声で言った。
「応えないといけないですね」
「母親の愛情にね」
「そうしましょう」
こう話してだった。
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