ドリトル先生の長崎での出会い
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第九幕その四
「そのうえでね」
「食べようね」
「折角注文したし」
「それならね」
「残さずだよ」
「食べもの飲みものは残さない」
絶対にというのです。
「本当にね」
「大事なことだね」
「食材にはどれも命があるし」
「作る人達もおられるし」
「もっと言えば運ぶ人達も」
「そうしたことを考えるとね」
「残したら駄目だよ」
何があってもというのです。
「日本に来てこのことをね」
「これまで以上に実感したよね」
「僕達もだよ」
「食べもの飲みものは残さない」
「絶対に」
「そうしないとね、食べられるだけ注文して」
お店ではというのです。
「そしてね」
「そのうえでだね」
「残さず食べる」
「そうすることだね」
「今も」
「そうだよ、そしてね」
それにというのです。
「楽しもうね」
「そうしようね」
「このティータイムも」
「皆でね」
「そうしよう、しかし思うことは」
ここで先生が言うことはといいますと。
「長崎のカステラは皆が言う通りにね」
「他の街のカステラより美味しいね」
「本当に」
「そうだよね」
「お土産にも買ってよかったよ」
こうも言ったのでした。
「皆にね」
「そうそう、王子にトミーに」
「マグさんにもね」
「そしてサラさんにもで」
「当然日笠さんにもね」
「そうしてよかったよ」
心から言うのでした。
「こんなに美味しいから」
「美味しいものは皆で食べる」
「それが大事だね」
「何についても」
「それでもね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「飼ってよかったよ、カステラは明治帝もお好きだったしね」
「今アイスクリームもあるけれど」
「こちらもお好きだったのよね」
「あの方甘党で」
「他には羊羹やアンパンがね」
「そうだよ、そしてね」
そのうえでというのです。
「日本酒もだったけれどね」
「お酒お好きで甘党でもあられる」
「そうした方っておられるけれど」
「明治帝もだったのね」
「あの方も」
「うん、けれど日本の皇室は質素だね」
このこともお話する先生でした。
「驚くまでに」
「そうそう、皇帝になるのに」
「王様より上の」
「それでもなんだよね」
「質素なんだよ」
「それを確立されたのが明治帝であられたから」
だからだというのです。
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