八条学園騒動記
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第七百八十七話 貴族で海賊になるその八
「政治家なりお役人なり社長さんなり」
「他にも色々あるね」
「責任ある立場に就いて」
そうしてというのだ。
「やっていったらいいのよ」
「そうだよ」
「全く、何で貴族なんてのがあるのか」
「前時代的だし」
「あること自体が」
それこそというのだ。
「間違いよ」
「そしてそれが不治の病って」
「エウロパって最低ね」
「そうだね」
「まあそれをあの連中に行っても」
トムは馬鹿にした様に言った。
「わからないね」
「絶対にね」
「わかる筈がないわ」
スターリングも蝉玉もそれはと確信して答えた。
「あの連中にね」
「連合じゃ誰でもわかることでも」
「子供でもね」
「あいつ等はわからないわよ」
「そうなんだよね」
トムもまさにと返した。
「エウロパの連中は」
「貴族はご主人様で」
「平民は奴隷でね」
「どちらもその考えが染み付いているから」
だからだとだ、スターリングも応えた。
「それでね」
「言ってもわからないんだよ」
「連合じゃ本当に子供がわかることでも」
「それでもね」
「何かね」
蝉玉は考える顔で言った。
「皆があいつとは付き合うなって言っても」
「行ってはいけない場所に行くとか」
「そんなことするなって言っても」
誰もが忠告してもというのだ。
「付き合ったり行く人いるわね」
「うん、いるね」
実際にとだ、トムも頷いて応えた。
「そうだよね」
「そんな奴はもう何言っても無駄ね」
「その碌でもない奴と付き合って」
「それでお金巻き上げられたり」
「あと危険な場所で大変なことになったり」
「そうしたことになるのよね」
「例えば怪しい宗教の教祖で」
所謂カルト教団はどの国にも存在している、何時の時代でもだ。この時代の連合でも然りであるのだ。
「インチキで根っからの悪人で」
「詐欺師みたいなのよね」
「もう人を騙して」
そうしてというのだ。
「お金を巻き上げるのが目的とか」
「そうした奴でね」
「本当に皆がね」
それこそというのだ。
「必死に止める」
「付き合うなって」
「それでも付き合って」
「入信したりして」
「騙されるのよね」
「挙句ね」
スターリングは嫌そうな顔で述べた。
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