博士の挑戦状
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第二百二十二話
第二百二十二話 小さな本屋さんでも
博士は小田切君にさらに話した。
「街にある本屋さんに入ってな」
「ファミコン雑誌や攻略本を買うんですね」
「そうすればな」
それでというのだ。
「それだけで夢があった」
「そうだったんですね」
「どんな小さな本屋さんでもな」
「ファミコン雑誌や攻略本があって」
「そしてじゃ」
そのうえでというのだ。
「読むとな」
「夢があったんですね」
「うむ」
そうだったというのだ。
「それだけでな」
「いい時代でしたね」
「極めてな」
そうだったというのだ。
「これがな」
「そうでしたか」
「スーパーファミリーコンピューターになってもな」
そのファミコンがというのだ。
「まだな」
「そうした時代だったんですね」
「そうであった、しかしな」
それがというのだ。
「インターネットが普及してな」
「携帯電話やスマートフォンに」
「そうなってな」
それでというのだ。
「そっちに主軸が移ってじゃ」
「ゲームもまた」
「そうなってな」
「そうした本も本屋さんもなくなって」
「そもそも家庭用ゲームをする人もじゃ」
それ自体がというのだ。
「減ってきておるしな」
「プレステもそうですしね」
小田切君もここで寂しそうに言った。
「今では」
「そうであるな」
「はい、ですから」
「小田切君もわかってきたな」
「寂しいですね」
実際にそうした笑顔で述べた。
「本当に」
「そうであるな」
「文明が進歩しても」
「そこから寂しさを感じることもあるのじゃ」
それはそれでというのだ、ゲームを通じても。博士は小田切君にそう話してあるものを出したのだった。
第二百二十二話 完
2024・11・24
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