八条学園騒動記
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第七百八十七話 貴族で海賊になるその六
「もうね」
「普段からね」
「威張っているのよね」
「プライベートの場でも」
「そうなのよね」
「お仕事を離れても」
それぞれのというのだ。
「軍人さんだと基地を出ても」
「ふんぞり返っていて」
「偉そうなのよね」
「それが駄目よ」
連合から見たエウロパはというのだ。
「それで平民はね」
「へいこらしてね」
「媚び諂って」
「それで仕えている」
「奴隷そのものね」
「ご主人様と奴隷」
ペリーヌは言い切った。
「もうその二つしかないのよ」
「エウロパは」
「皆同じじゃなくて」
「階級は二つあって」
「お貴族様第一ね」
「貴族の貴族による貴族の為のエウロパ」
トムは軽蔑を込めて言った。
「そういうことだね」
「そうよね」
ペリーヌもその通りだと肯定した。
「あそこは」
「貴族さえ安泰であればいい」
「そのお家がね」
「その為には何でもする」
「裏の社会でもね」
「全く。海賊ならだよ」
トムは怒った顔になって言った。
「それこそ階級なんてね」
「必要ないわよね」
「そもそもね」
「海賊ってあれじゃない」
ペリーヌは眉を顰めさせて言った。
「ロマンがあって」
「海の男のね」
「そして風来坊でね」
「自由があるんだよ」
「外の世界のルールに縛られない」
「だからこそいいんだよね」
「けれどね」
そうした部分が海賊が人気がある理由だがというのだ。
「そこによ」
「貴族がどうとかって」
「もうね」
それこそというのだ。
「それだけでよ」
「台無しだよ」
「海賊の魅力がね」
「本当にそうだね」
トムも頷いて応えた。
「そこは」
「全く、貴族貴族って」
ペリーヌは実に不愉快そうに述べた。
「何でも貴族主義なんてね」
「嫌なものだよ」
「階級社会ってあそこの不治の病ね」
「そうだね、不治の病って色々あるけれど」
「国家にもね」
「それでね」
そうであってというのだ。
「エウロパの病気は階級社会で」
「もうね」
それこそというのだ。
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