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ドリトル先生の長崎での出会い

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第八幕その五

「もうね」
「いいよね」
「そうだよね」
「本当にね」
「その人達は」
「全くだよ」 
 まさにというのです。
「それに当時の日本にも偏見があったね」
「キリスト教に対して」
「そして改宗した人達に対して」
「偏見があって」
「蝶々さんも縁切りされたんだったね」
「だからお坊さんも怒ったんだ」
 蝶々さんの親戚のです。
「ボンズさんといったけれど」
「キリスト教が駄目だった」
「当時日本で禁教が解かれたばかりで」
「それでだん」
「偏見が強かったね」
「そもそも島原の乱があったしね」
 先日その場所だった原城の城跡のことを思い出しつつ言いました。
「あそこは」
「切支丹って言われて」
「ご禁制でね」
「幕府が厳しく取り締まっていたね」
「信仰を棄てないと死罪にまでして」
「日本の歴史でも珍しい位にね」
 そう言っていいまでにというのです。
「徹底して禁じたけれど」
「それはどうしてか」
「侵略の手段にしていて」
「しかも民の人達を売り飛ばして奴隷にしていた」
「だからだね」
「そう、それでね」
 そうなっていてというのです。
「禁じたからね」
「そうだったね」
「当時のキリスト教は」
「幕府も国と民の人達を守る為にね」
「そうしたね」
「むしろ侵略と奴隷を認めなかった」
 そうしたというのです。
「幕府の英断だったかも知れないよ」
「確かに進行を棄てないと死罪だったけれど」
「日本も民衆の人達も守ることだったし」
「犠牲は出ても」
「それでもだね」
「それに疑わしいと罰するのでなくて」
 そうでなくというのです。
「踏み絵でね」
「確かめてるね」
「切支丹かどうか」
「ちゃんとね」
「そうしていたね」
「そして死罪にする時も信仰を棄てるかどうか聞いてね」
 そうしてというのです。
「信仰を棄てるとね」
「それでよしだったね」
「それでね」
「助けたね」
「そうだったからね」
 だからだというのです。
「欧州の十字軍や異端審問より遥かにましでね」
「理性的だったね」
「それもかなり」
「本当に切支丹かどうか確認して」
「死罪の時も信仰を棄てたら助けたんだから」
「そして奴隷制度を絶対に認めなかった」
 そうだったというのです。 
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