金木犀の許嫁
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五十二話 歴史の真実その三
「今日元気であろうとも」
「明日はですね」
「急に亡くなっていることもです」
「よくありましたね」
「この状況は二次大戦が終わる頃まで同じで」
「小さいお子さんはですね」
「本当に簡単にです」
こう言っていいまでにというのだ。
「死んでいました」
「そうでしたね」
「ですから」
そうした状況だったからだというのだ。
「豊臣家もです」
「そんな秀頼公お一人だったので」
「しかも後見人がです」
その人物はというと。
「政治も戦争もわからない茶々殿です」
「全くの素人ですね」
「はい」
まさにというのだ。
「多くの人がこれはと思いまして」
「駄目だと」
「破滅を見た人もいます」
藤堂高虎がそうだったとのことだ、そして豊臣家ではなく徳川家に仕える道を選んだと言われている。
「そうした状況でした」
「それだけ豊臣家に力がなくなっていたんですね」
「秀吉公没後急速に」
「そうでしたか」
「ですから」
それでというのだ。
「そのことも見てです」
「豊臣家は大坂を出ますと」
「もうです」
その時点でというのだ。
「かなりです」
「無力化していましたね」
「そうなっていましたので」
だからだというのだ。
「滅ぼすこともです」
「なかったですか」
「実際日本で前の権力者を滅ぼした事例はあるにはありましても」
「そうせずに済ませたこともありますね」
「室町幕府は滅びましたが」
そうなったがというのだ。
「足利家は残っています」
「そうでしたね」
「豊臣家も織田家を滅ぼしてはいません」
かつて仕えた家をというのだ。
「そうですし」
「徳川家もですね」
「そこまではです」
豊臣家を滅ぼすまではというのだ。
「するつもりはなかったのです」
「しなくてもよくて」
「それを茶々殿が間違えまして」
その政治にも戦争にも全く無知な彼女がというのだ。
「ですから」
「それが問題でしたね」
「そうでした」
まさにというのだ。
「切支丹を認めてしまいました」
「幕府に対抗して」
「それがです」
「幕府としてはですね」
「断じて認められず」
そうであってというのだ。
ページ上へ戻る