秘密倶楽部
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第一章
秘密倶楽部
世界に冠たる大英帝国では紳士の嗜みとして秘密結社に入るものだと聞いてだ。
都内のとある大学で教授をしている畠田寿太郎は友人達に英吉利のそうした話をしてから友人達に話した。
「それで我々もだよ」
「英吉利に習ってかい」
「秘密結社を作るのか」
「そしてそれに入って楽しむ」
「そうするのか」
「そうしよう」
友人達に自宅である洋館で話した、白いブラウスに赤いベストに黒の蝶ネクタイにスラックスと服装も洋風で黒髪を後ろに撫で付け八の字の口髭もそうだ。ただ背丈は日本人の平均で英吉利人と比べると小さい。
「これからね」
「秘密結社か」
「英吉利の紳士達はそんなものを作っているのか」
「そしてそれに入って楽しんでいてか」
「それが紳士の嗜みなのか」
「それは随分変わっているな」
「その変わった嗜みを楽しもう」
自分達もというのだ。
「世界の大国英吉利の紳士達の様に」
「今は何と言っても西洋だ」
「西洋の文明に学ぶべきだ」
「何もかもをな」
「国を挙げてそうしているが」
「嗜みもか」
「何でも真似ないとだ」
西洋のそれをとだ、畠田は友人達に話した。
「我々は危ういな」
「露西亜がいるからな」
「清を退けたと思ったらあの国が来た」
「朝鮮を虎視眈々と狙っている」
「遼東に来て旅順を要塞にせんとしている」
「あの露西亜に勝つ為にな」
まさにというのだ。
「より西洋を学ぶべきだな」
「特に英吉利に」
「近頃我が国はあの国に目をかけられている様だが」
「第一に学ぶのはあの国だ」
「やはり英吉利だ」
友人達も言ってだった。
そうして畠田の提案に頷き秘密結社を立ち上げそれに入り楽しむことにした。畠田は早速秘密結社を立ち上げ自身がその結社の総主教と自称する盟主になったが。
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