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星空のカフェテラス

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第一章

                星空のカフェテラス
 何でもない様な喫茶店である、だがその店は昔から評判で観光客も来る程だ。
 それがどうしてか、台湾から日本の京都に留学してきている李桃香は留学先の大学で友人の佐伯香菜に尋ねた。
「あのお店どうして人気があるの?いつも学校行く時前通るけれど」
「外見は普通の喫茶店っていうのね」
「何でもないね」
 こう言うのだった。
「お店だけど」
「あそこはね」
 香菜は真面目な顔で話した、茶色の長い柔らかい感じの髪の毛を左右で束ねている。きりっとした顔立ちで胸が大きく色白で背は一五七位だ。タートンチェックのミニスカートと白いブラウスという服装だ。
「実は違うのよ」
「どう違うの?」
 桃香はすぐに聞き返した、黒髪をシャギーにしていてヘアピンが左にある、小さいすっきりした顎を持つ顔で切れ長の二重の目である。背は一五四位ですらりとしている。青い半ズボンと黄色いシャツという夏らしい恰好である。
「一体」
「それは行ってみてのよ」
「お楽しみ?」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「だからね」
「どんな風か知りたいなら」
「それならね」
「行くことね」
「そうよ、一緒に行く?」
「あんたと」
「そう、どうする?」
 桃香に微笑んで問うた。
「それで」
「それじゃあ」
 桃香は香菜の言葉に頷いた、そうしてだった。
 その日講義が終わると二人で店に入った、すると。
 店は暗い、だが。
 床も壁も天井もだ、星座があった。そしてその星座達がだ。
 ゆっくりとだが動いていた、桃香はその星座達を見て言った。
「これは」
「そう、このお店はね」
 香菜は笑って話した。
「只の喫茶店じゃなくてね」
「プラネタリウムをやってるのね」
「何でも店長さんの趣味で」 
 それでというのだ。
「毎日決まった時間にね」
「プラネタリウムやるのね」
「それがネットでも評判になって」
「人気が出て」
「京都は元々観光地で」
「その観光地の中のね」
「観光スポットの一つになっているのね」
「そうなの」
 まさにというのだ。
「これがね」
「そうなのね」
「面白いでしょ」
 香菜は桃香ににこりと笑って言った、二人は店の二人用の席に向かい合って座ってそのうえでコーヒーを注文した。
「こうしたお店もあるって」
「そうね、店長さんの趣味でも」
「マスターのね」 
 喫茶店だからこの名称になるのだ。
「それでね」
「面白いわね」
「喫茶店っていってもね」
 一口にだ。
「色々で」
「中にはこうしたお店もあるのね」
「そうよ、ほら見て」 
 香菜は笑ってここでこんなことを言った。
「星座が私達の身体にもね」
「来てるわね」
「お店の中を動いているから」
 プラネタリウムの星達がというのだ。
「それでね」
「私達にも来るのね」
「星座がね」
「面白いわね」
 桃香は微笑んで述べた。 
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