| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

そこまで切羽詰まっているのか

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第六章

「俺達またやられてるみたいだぞ」
「攻めてるんじゃないのか」
「そうも言われてるけれどな」
 それでもというのだ。
「またかなり損害がな」
「出たんだな」
「だから人ものものもな」
「どんどんなくなってるか」
「ああ、そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「うちはさらにな」
「苦しくなってるんだな」
「考えてみればな」
 目の前にいる北朝鮮の兵隊達を見て言った、すでにその目は的を見る目になっていてそのうえで言うのだった。
「あんな連中頼る位だ」
「相当苦しくなってるな」
「最初は連中の弾使ってな」
「酷かったな、あれも」
「まともに飛ばなくてな」
「それでか」
「さらに悪くなってな」
 ロシア軍の状況はというのだ。
「それでだよ」
「あの連中自信を頼ったか」
「他に頼る連中もなくて」
「それであんな連中にか」
「もうな、例え勝ってもな」
 戦争にというのだ。
「あんな連中に頼り位だ」
「そこまで追い詰められてたらか」
「負けても地獄で」
 それでというのだ。
「勝ってもな」
「地獄か」
「どっちでもな」 
「暗いな」
「まあそれはな」
 シェイスキーは言った傍からこうも言った。
「言わないことだな」
「ああ、こうしたご時世だとな」
「言ったらな」
「駄目だな」
「どうなるかわからないからだな」
「ロシアは勝ってだな」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「幸せな未来が待っているんだよ」
「そうだよな」
「だからな、今はな」
「勝つ為にだな」
「俺達も全力を尽くそうな」
「そうだ、とりあえず戦場で生き残ることだ」
 まずはというのだ。
「それで生きて帰るんだよ」
「それが第一だな」
「だからな」
「前にいる北朝鮮の連中もな」
「命令だしな」
「働いてもらうか」
「戦場にいるんだ」
 それならというのだ。
「だったらもうだ」
「どんな形でも働いてもらうか」
「ああ、盾でも何でもな」
「それじゃあ少しでも逃げようとしたら撃つか」
「戦争で命令だからな」 
 シェイスキーは達観して言った、そうしてだった。
 北朝鮮の兵士達に銃口を向けた、友軍に後ろからそうされた彼等は前に向かうしかなかった。そして次々とウクライナ軍の攻撃に吹き飛ばされていくのだった。


そこまで切羽詰まっているのか   完


                 2025・1・29 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧