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博士の挑戦状

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第二百十八話

             第二百十八話  ファミリーコンピューターマガジン
 その雑誌を読んでいってだ、小田切君は言った。
「攻略本もいいですが」
「雑誌もじゃな」
「いいですね」
「面白いのう」
「はい、それに」
 小田切君は読みつつ応えた。
「裏技の紹介も」
「いいのう」
「こんなのもやってたんですね」
「その中に一つじゃ」
「嘘があって」
「それを当てたらな」
 そうすればというのだ。
「ソフト五本じゃ」
「太っ腹ですね」
「当時はこうした賞品もじゃ」
 雑誌のそれもというのだ。
「よかったのじゃ」
「雑誌が売れて」
「それでな」
「五本とかですね」
「そうであった」
「攻略も面白くて」 
 またこのことを話した。
「読みごたえがありますね」
「だから売れたのじゃ」
 博士はそれ故にと答えた。
「そうしたことがあってな」
「そうですか」
「だからじゃ」
 それでというのだ。
「他の出版社も進出していった」
「売れるとわかったので」
「面白い雑誌に出来てな」
「面白い雑誌も作りたいですね」
「だからじゃ」  
 編集者もそう思うからだというのだ。
「面白くも出来るしな」
「読者さんも楽しんでくれるんで」
「どんどん出てな」
「売れてですね」
「書店のコーナーの一角になったのじゃ」 
 そうなったというのだ。
「これがな」
「そういうことですか」
「うむ、ではそのまま読むか」
「一冊読ませてもらいます」
 小田切君は真顔で答えた、そうしてだった。 
 実際に読んでいった、そうして読み終わってから博士に対して満ち足りた笑顔で面白かったですと告げたのだった。


第二百十八話   完


                     2024・11・7 
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