| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七百八十五話 壊血病その六

「生活の為にね」
「海賊やってたんだ」
「普通の人達がね」
 北欧のというのだ。
「そうだったのよ」
「ワイルドな時代だね」
「ええ、今とは違うわ」
「今はそうしたことしなくてもね」
「普通に暮らせるからね」
「そうだね」
「船乗りっていっても」 
 蝉玉が言ってきた。
「荒っぽかったのね」
「そうだね、昔は」
 スターリングも言ってきた。
「今よりも遥かに」
「海賊と隣り合わせ」
「そうだったんだね」
「そして普通の人も海賊をやる」
「そんな時代だったんだね」
「バイキングから大航海時代まで」
「そうだったんだね、そして」
 スターリングはさらに言った。
「明日のこともね」
「わからない状況だったのね」
「海賊はね」
「普通の船乗りの人も」
「今壊血病なんて」
 この病気はというと。
「ないしね」
「どんな時もね」
「あっ、強制労働をさせている凶悪犯はね」
 スターリングはここでこのことを思い出した。
「なるらしいよ、脚気にも」
「凶悪犯にはまともな食事与えないから」
「だからね」
 その為にというのだ。
「普通にね」
「壊血病になるの」
「脚気にもね」
 これは実際のことだ、連合では凶悪犯には人権は存在しないのだ。
「なるんだ、そしてなってもね」
「働かせるのよね」
「死ぬまでね、動けなくなっても」
 それでもなのだ。
「強い薬打って」
「無理に働かせて」
 そうさせてというのだ。
「死んだらね」
「ポイ、よね」
「ゴミ捨て場にね」
「それでお葬式もしないわね」
「そうしているよ」
「それで食べものもまともになくて」
「それでね」
 その為にというのだ。
「壊血病があるんだ」
「凶悪犯には」
「強制労働を受けていたらね」
「ちょっとさぼると電気鞭で」
 それで打つのだ。
「もう凄いよ」
「凶悪犯なら当然だしね」
「それでそうしてるよ」
「そうよね」
「それで壊血病は今もあるね」
 現実としてというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧