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八条学園騒動記

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第七百八十四話 海賊の場所その九

「日本ってね」
「狼に襲われるお話ないね」
「私今はじめて聞いたわ」
「僕だってね」
「大抵鬼なのよね」
 ペリーヌはこう言った。
「人を襲うって」
「そうそう、日本だとね」
「あと狐や狸が化かす」
「そんな童話が多くて」
「狼はないのよね」
「けれど中にはそうしたお話もあって」 
 少ないことは事実だがというのだ。
「それで何か小刀で切りつけたら」
「怪我したんだ」
「そうなったのね」
「そうなの、それでその傷でね」
 小刀で切られたそれでというのだ。
「正体がばれるってお話なのよ」
「お婆さんと思ってたら」
「その実は」
「そうなのよ」
「実際狼って人ほぼ襲わないし」
 トムはこのことを話した。
「日本だと特にね」
「狼に襲われる人いなくて」
「送り犬って妖怪いても」
「所謂送り狼ね」
「ただ山道を歩いていて」
 そうしていてというのだ。
「後ろからついてくる」
「それだけよね」
「こけたら襲うらしいけれど」
 送り犬という妖怪はというのだ。
「まあこけないとね」
「平気ね」
「それにこけても」
 若しそうなってもというのだ。
「ふう、一服って言ったら」
「それで誤魔化したら」
「襲ってこないし」
「あまり怖くないわね」
「それに田畑荒す山の獣食べるから」
 そうしたことを行うからだというのだ。
「日本だとね」
「狼は怖くなくて」
「むしろ有り難い」
「そうした生きものなのよね」
「うん、ただ妖怪にもなるんだ」
「そう、それでね」 
 トムにも話した。
「人もね」
「襲って」
「所謂狼男だけれど」
「その狼男もだね」
「日本だとね」
「普通の刀で倒せるね」
「銀でなくてもね」
 それでもというのだ。
「倒せるのよ」
「それが日本だね」
「巨大な百足だって」
 この妖怪もというのだ。
「普通の弓矢でね」
「倒せるんだ」
「そうしたお話もあるし」
「日本は聖剣とかじゃなくて」
「使う人がどうか」
 その武器をというのだ。 
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