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ドリトル先生の長崎での出会い

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第五幕その九

「本当にね」
「当時の日本はだね」
「切支丹は弾圧したけれど」
「その目的は日本や日本にいる人達を守る為で」
「しかも慎重で理性的だったから」
「よかったね」
「そう思うよ、最悪の事態にはね」 
 欧州の様にというのです。
「ならなくてね」
「よかったね」
「日本は」
「島原の乱も切支丹が関わっていても」
「それでもだね」
「そう思うよ、むしろ島原の乱は」
 先程その跡を見てご冥福を祈ったその乱はといいますと。
「藩主の人達の政治が問題だったから」
「あまりにも酷い政治で」
「悪政の極みで」
「それで起こったから」
「切支丹はその次だね」
「欧州よりはずっとね」
 それこそというのです。
「穏やかだったよ」
「そう考えていいね」
「確かに沢山の人が犠牲になったけれど」
「それでもね」
「ましだよね」
「そう、本当にね」
 実際にというのです。
「僕は思うよ」
「そうだよね」
「僕達も聞いて思ったよ」
「島原の乱はまだましだよ」
「欧州に比べたら」
「本当にね」
 こうお話してでした、先生は皆と一緒に電車に乗って次の場所に向かいましたが。
 今度は諫早に来ました、そこは何と泥が拡がっていました。皆の目の前には泥の海が一面にあります。
 その泥の海を見てです、皆は目を丸くしました。
「何この海」
「青い奇麗な海じゃないよ」
「泥じゃない」
「水面も低いし」
「こんな海あるんだ」
「この海は独特でね」  
 先生は皆にお話しました。
「こうしてね」
「泥なんだ」
「海じゃないみたい」
「泥沼みたいだよ」
「こんな海もあるんだ」
「そうだよ、そしてここにはね」 
 その泥の海にはというのです。
「ムツゴロウとかがいるんだ」
「ああ、あのお魚だね」
「大きな目で跳ねる」
「あのお魚がだね」
「いるよ、そして漁業もね」
 こちらもというのです。
「行われているよ」
「そうなんだ」
「漁業も行われているんだ」
「この泥の海で」
「そうなんだね」
「そうだよ、この海は佐賀県の方にも拡がっているから」
 そうなっていてというのです。
「佐賀県でも漁業が行われていて大会もね」
「行われてるんだ」
「佐賀県だと」
「そうなんだ」
「泥に入ったりするレジャーの大会がね」
 それがというのです。 
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