ハッピークローバー
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第百五十六話 祭りの中でその七
「実は人襲わないし」
「そうなのよね」
「相当餓えていないとね」
「そこは野犬と同じよね」
「そうでもないと襲わないのよ」
「だから犬になったしね」
犬は狼を家畜にしたものである、それでカンボジアの娘も言った。
「狼は実はね」
「人を襲わなくて」
そうであってというのだ。
「むしろ日本だとね」
「いい生きものだったわね」
「畑荒す生きもの食べてくれる」
農耕社会の日本人達から見るとだ。
「有り難い生きものだったのよ」
「猛獣じゃないわね」
「むしろ益獣だったのよ」
「そうでしょ、熊だって羆でないとね」
「ツキノワグマも怖いけれどね」
「そんなにでしょ、だからね」
そうした環境だからだというのだ。
「日本はね」
「いい国っていうの」
「そうよ」
まさにと答えた。
「幾ら災害多くてもね、すぐに復興するし」
「慣れてるからね」
「災害には」
「本当にしょっちゅうだから」
そうした国だからだというのだ。
「皆ね」
「慣れてるのね」
「昔からだから」
「もうずっと」
「そう、災害が多いのは」
今話しているそのことはというのだ。
「種類も数もね」
「だから慣れて」
「復興もね」
それもというのだ。
「経験値が凄いから」
「速いのね」
「本当は慣れるってね」
災害とそれからの復興にというのだ。
「不幸だけれどね」
「沢山の人がお亡くなりになるし」
「災害のあった場所が滅茶苦茶になるから」
だからだというのだ。
「あって欲しくないけれど」
「起こるものは起こるから」
「だからね」
そうであるからだというのだ。
「慣れるしかなくて」
「慣れて」
「そうなっていてね」
日本そして日本人はというのだ。
「速いわ」
「そういうことね」
「ええ、災害はあって欲しくないわ」
「日本はそこが問題ね、けれど総合的に見て」
それでというのだ。
「やっぱりいい国よ」
「そうなのね」
「私はっきり思うわ」
「じゃあこれからも日本にいるの」
「大学卒業するまでね」
「それで大学を出たら」
「カンボジアに戻って」
そうしてというのだ。
「カンボジアの為に働いて日本ともね」
「仲よくしてくれるのね」
「当り前よ、いい国だから」
そう感じているからだというのだ。
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