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先生の実家は和菓子屋

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第二章

「そうでした」
「そうだね」
 曽我部はさらに言った。
「お饅頭にお団子に洋館に」
「色々と」
「和菓子を食べているね」
「そうなんです」
「それはどうしてかな」
「いや、俺実家住まいなんですが」
 神谷は自分のことから話した。
「和菓子屋さんでして」
「そうなんだ」
「はい、それで親がです」
 和菓子屋のというのだ。
「姉ちゃんと旦那さんもいますけれど」
「その人達がなんだ」
「いつも持たせてくれるんです」
 笑顔で話した。
「お菓子を」
「それでいつも食べてるんだ」
「あと家でも何かあれば」
「和菓子が出るんだ」
「朝昼晩デザートです」
「それだね」
 曽我部はわかったという顔で頷いて言った。
「まさに」
「和菓子の食べ過ぎですか」
「和菓子は洋菓子に比べて糖分は低くても」
 それでもというのだ。
「やっぱり食べ過ぎはね」
「よくないですね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「君はね」
「和菓子の食べ過ぎで、ですか」
「血糖値が高くなっているよ」
「実はそれじゃないかって思いまして」
 神谷自身もというのだ。
「最近はです」
「お菓子を控えてるんだね」
「あと毎朝ランニングをはじめました」 
 運動もというのです。
「そうしています」
「そうなんだね」
「それで、です」
「血糖値は減ったね」
「安全圏まで」
「何よりですよ、いや和菓子は当分少なくても」
 ケーキなどに比べればとだ、言外にこの言葉を含めて話した。
「それでもですね」
「うん、お菓子だしお砂糖も使ってるし」
「毎食いつもみたいに食べていますと」
「よくないね」
「子供の頃からでしたし」 
 家が和菓子屋だけにというのだ。
「以後気を付けます」
「そうした方がいいよ、しかし身体は引き締まってるのに」
「太らない体質で」
「それでも血糖値は高くなるね」
「そうですね、本当に気を付けます」
「糖尿病はまずならないことだからね」
「本当にそうですね」
 神谷は笑って言った、そうしてだった。
 以後お菓子は口にしても一日一度にして運動を続けた、結果彼の血糖値が危険水準に達することはなかった。それで健康に生きていけたのだった。


先生の実家は和菓子屋   完


                    2025・1・19 
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