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ドリトル先生の長崎での出会い

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第五幕その三

「島原の乱はかなり特異なんだよ」
「反乱を起こした人達が皆戦死した」
「そこまでの戦いだったから」
「それでだね」
「僕も注目しているよ、それとキリスト教徒にはどうかということでも」
 それでもというのです。
「切支丹を禁じたことも理由があったんだ」
「そうだったね」
「キリスト教を布教して信者の人達を増やして」
「そこから日本を侵略する」
「そう考えていたし」
「そう、そしてね」 
 それにというのです。
「領民の人達が海外に売られて奴隷にされていたんだ」
「日本の人達が」
「先生前にそのお話もしてくれたね」
「それを豊臣秀吉さんが知って驚いて」
「すぐに奴隷になっている人達を買い戻したのよね」
「そうして救ったね」
「千利休さんや甥の豊臣秀次さんを死なせてもね」
 そうした残酷なことがあってもというのです。
「秀吉さんはそうしたこともしていたんだ」
「秀吉さん一代の善行だね」
「大勢の人達を救った」
「本当に素晴らしいことだよ」
「そのことはね」
「日本はその頃は奴隷の人達がいなくなって久しくて」
 そうであってというのです。
「秀吉さんも奴隷というものは受け入れなかったんだ」
「奴隷制反対だね」
「秀吉さんはそうした考えだったんだね」
「それも実行に移すまでの」
「確かな考えを持っていたんだね」
「それは幕府も同じでね」
 江戸幕府もというのです。
「奴隷制反対で」
「奴隷売買にキリスト教の宣教師の人達も関わっていたしね」
「それもかなり」
「十字軍でもそうしたお話あったし」
「それでだね」
「そう、そしてね」
 そうであってというのです。
「幕府も切支丹を禁止してね」
「弾圧までしたね」
「日本の人達を絶対に奴隷にしない」
「侵略もさせない為に」
「弾圧はよくないことでも」
 それでもというのです。
「日本そして日本の人達を守る為にね」
「切支丹を禁止して」
「そして弾圧した」
「そうだったんだね」
「それが島原の乱の原因の一つにもなったのね」
「そうだよ、あと切支丹の人達への弾圧もね」
 こちらもというのです。
「踏み絵をさせて確かめて」
「処刑する時も信仰を棄てるか聞いたんだよね」
「それで棄てれば助かったね」
「そうだったね」
「信仰していると思われた時点で処刑したのが欧州だったね」
 先生が生まれた地域だというのです。
「十字軍でも三十年戦争でもね」
「異端審問でもね」
「滅茶苦茶だったよね」
「本当に」
「今思うと」
「そうしたことと比べるとね」
 それこそというのです。 
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