| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

学歴がなくても凄い

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第二章

 嫌なものを語る顔になった、その顔で栗田に話した。
「門田工業ですが」
「あそこは学歴主義でね」 
 栗田も嫌そうに県内のつある企業の話に応えた。
「いい大学出じゃないとね」
「採用しないですね」
「けれどね」
「酷い人多いですね」
「それで仕事出来ない人ばかりで」
 そうでもあってというのだ。
「それでだよ」
「業績も落ちています」
「そう、本当にね」
 まさにというのだ。
「仕事はね」
「学歴じゃないですね」
「その人次第だよ」
「才能と努力ですね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「小谷君にはこれからも頑張ってもらおう」
「私達の会社で」
「課長、出来ました」
 その小谷の明るい声が聞こえたきた、見ればだった。
 彼は分厚い書類を持って来た、栗田はその書類を確認して笑顔で言った。
「問題なし、それどころか予想よりずっといいよ」
「そうですか」
「うん、有り難う」 
 いい仕事をしてくれてとだ、小谷に笑顔で言った。小谷はその笑顔を受けると彼も笑顔になった。そうしてだった。
 彼の仕事に戻った、それで言うのだった。
「これからもね」
「頑張って欲しいですね、なら私も」
 栞奈はそんな小谷を見て目を燃えさせた。
「やります」
「頑張るんだ、そうすればだよ」
「小谷さんみたいになれますね」
「そうなるよ」
「それなら」
 栞奈は意を決した、そしてだった。
 彼女も努力した、その結果小谷と並ぶ社のエースとなった。そして学歴偏重の門田工業が倒産したと聞いた。その時にはもう学歴はどうでもよくなっていた。


学歴がなくても凄い   完


                    2025・1・18 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧