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仕組む奴の末路

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第二章

「探したぞ」
「あんたは」
「お前が騙した男だ」
 こう言ってきた。
「見ればわかるな」
「あんたまさか」
「そのまさかだよ」 
 鋭い目で言ってきた。
「とある組の若頭だ」
「そうだったのか」
「それでだ」
 男は古閑に剣呑な声で言ってきた。
「わかるよな」
「ヤクザ屋さん騙したらか」
「いい度胸だ、ケジメつけてもらうぞ」
 こう言ってだった、まずは。
 古閑を寄ってたかって殴り蹴った、そのうえで。
 目も内臓も売った、そうしてだった。
 山に埋めた、全て終わってから男は言った。
「極道甘く見るなよ」
「全くですね」
「俺達を騙すなんていい度胸ですよ」
「それなりの借りは返してもらいますよ」
「その時は」
「命でな、騙した分は目や内臓を売って返させた」
 当然本人の了承なしにだ。
「それでだ」
「ケジメつけさせました」
「山に埋めて」
「これでよしですね」
「全部終わりましたね」
「そうだ、帰るぞ」
 男はもう振り向かず東京に戻った、そして。
 古閑がいなくなりだ、詐欺師仲間達は話した。
「古閑のおっさんいなくなったな」
「間違えてヤクザ屋さん騙してバラされたらしいな」
「そりゃドジ踏んだな」
「騙す相手は選ばないとな」
「騙す方が悪くてもな」
「下手すりゃそうなる」
 人知れず消されるというのだ。
「そうなるからな」
「俺達も気を付けないとな」
「おっさんみたいになるからな」
「騙す相手はちゃんと見ることだ」
 こう話した、そして古閑のことを教訓にしていった。しかし彼等もまた徐々に何かしらの事情でいなくなっていった。新しい詐欺師が出て来たがそうなった。


仕組む奴の末路   完


                   2025・1・17 
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