外道戦記ワーストSEED
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ニ゙話 マイベストフレンドアズにゃん
前書き
主人公「あれ、なんか知ってる単語どこにも無いんだけど…何処の時代の宇宙世紀なんだろう…」
コズミック・イラ「やあ」
さて、とりあえず転生で有利とか、そういった甘い考えはとりあえず捨てよう。
権兵衛は小3にして悟った。
いや転生後はジョン・レイスだったか。
まあ、普通の家に生まれ、普通に両親に愛されて育ったので生まれに文句はない。
ただ、この世界はなんだ?
なんか色々国の名前違うなあとかはまあ、良くはないがパラレルワールドかなで自分を誤魔化そう。
ガンダムやザクがないのも、確か主人公が活躍している前後に開発が行われてるので、まあその時代の前に転生したと目を瞑ろう。
年号、コズミック・イラ〇〇年
ニュースにブルーコスモスとか、コーディネーターとか知らない単語が沢山出てくる。
自分の内心を一言で表すなら……
僕の知ってるガンダムを返して(泣)である
ひでえフェイントだ。
なんだ、同じガンダムの名前付けられてるのに、世界がまるっと違うとか詐欺かよ。
なんて言って現実逃避してても始まらない。
とりあえず軍隊でロボットが活躍するガンダム世界で戦乱が起きない訳がないので(偏見)、体鍛えて情報集めて逃げる準備をすることにした。
でも、特にいけてる考えがあるわけでも伝があるわけでもないので、とりあえず大人しく学校に通うことにした。
そう、改めて言おう。
俺は大人しくしていた。
「くそっ、何だよお前は!」
うーん、ミスった。
クラスメイトが呼び出し食らってるって聞いたから助けにきたのに、本人は、なんか集団に囲まれてるのにスマートに抜け出した上に先に逃げやがった。
いや、対応としては普通だよ。
ただ、目の前で悔し涙を流してる奴が問題だ。
ムルタ・アズラエル。
アズラエル財団とかいうとこの金持ちのボンボンである。
正直、気持ちとしてはさっさと逃げたかったが、素性を知っている以上、不味い。
社会的底辺で生きてた前世の経験上、地位や金持ってるやつに目を付けられると碌なことにならないことは身に沁みていた。
まさか子供同士の喧嘩の報復に翌日の新聞に乗るような事はしないだろうが、こんな下らないことで就活失敗しましたとかは勘弁である。
とりあえず、話を聞こう。
そして無難に納めよう。
……結論、これ理論的な説得無理だわ。
話を改めて聞いて、ムルタ君の主張を要約すると。
親が言ってたけどコーディネーターは生まれつきズルしている。
だから仕置きしてやろうとしたら失敗した、である。
いや、毒親ぁ……
いや、俺が一般人代表とかほざくつもりはないよ。
確か、親が依頼して生まれつきの容姿や反射速度などの生まれつきのパラメータを弄ったりする、コーディネート技術がジョージ・グレンとかいう方がカミングアウトしてから一般化?して、それで出来たのがコーディネーターで、それは自然に反している!って揉めてるとか新聞に書いてあったし、そういった考えも持つことは否定しない。
たださ、それを年端もいかねえ息子に言って、洗脳紛いの教育するのは気に食わねえ。
自身がホスト、つまり水商売で偏見の目に晒されることが多いからこそ、眼の前のムルタの慟哭が、酷くムカついた。
だから、余計な言葉をかけることにした。
いや、まあね。モヤッてするのわかるよ。あいつだけ強くてニューゲームかよ、とか。
でも、それ言ってもどうしようもなくない?
俺もムルタ君もナチュラルで生まれてる以上、多分後天的にコーディネーターは難しそうだし。
そもそも俺、コーディネーターが良いとか欠片も思わないんだが。
だって、いくら頑張っても、コーディネート技術で下駄はいてるでしょとか言われるんだぜ。
いいじゃねえか、コーディネーターより不器用でも下手でも。
その代わり、勉強も運動も何もかも、自分で頑張ったおかげ、と胸張れるんだからさ。
皆高校に上がる中、一人中卒で出ていく自分に、恩師がかけてくれた慰めの言葉を引用して、彼の思考を誘導する。
そう、これはいわば『酸っぱいブドウの方程式』、負け惜しみの理論だ。
ただ、別に正しい訳ではないが、だが必要な思考だ。
神様でもない俺達は、どっかしらで折り合いをつけなきゃならないんだから。
だから、そう、俺はアズラエルと仲良くするためにこの話をふったわけではないのだ。
「ジョンくん!お父様に話したら、是非連れてきてだとさ!」
だから凄い良い笑顔で、俺の家の前にリムジンを引っ付けるな。
心の友よ!とジャイアンみたいな事を言われて笑顔で車のドアを開けるアズラエル、いやムルタの前で、ジョンはため息をついた。
第二話 終
後書き
プロローグは巻きで行きます。
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