成人式の騒動
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第二章
「そうだったらしいわ」
「そうなのね、まあね」
春恵はこの話をここまで聞いて言った。
「成人式で馬鹿やってね」
「式を滅茶苦茶にするよりいいわね」
「連中もそれは弁えていたのね」
「そう、それで終わってから」
「飲んでそうなったのね」
「それで酔い潰れても」
そうなったがというのだ。
「最低限のことはしたわね」
「暴れもしなかったし
「トラ箱にも入らずに」
「よかったわね、何でも連中今は皆真面目に働いているそうだし」
そうだというのだ。
「中学時代はドキュンでも」
「今は真面目なのね」
「ええ、そうそう二十歳になっても馬鹿やるとか」
「滅多にいないわね」
「そうよ、いることはいても」
「稀ね」
「かなりね」
こう春恵に話した。
「そうよ」
「二十歳になっても馬鹿なら相当だしね」
「救えないわね」
「ええ、それで私達のところも」
「そこまでの馬鹿はいなかった」
「そうなるわ、終わった後で飲み過ぎてもね」
そして酔い潰れてもというのだ。
「式で暴れなかったし」
「酔ってもだったし」
「これ位はいいわね」
「そうね、中原中也さんなんてね」
ここでこの詩人の話が出た。
「実は酒乱でね」
「お店で飲んで暴れてね」
「出禁になったお店多いし」
「それも二十歳超えても」
「そのことを考えたらね」
「いいわね」
「まだましね」
二人で笑顔で話した、そしてだった。
二人もその日の夜飲んだ、春恵の家でそうしたが酔い潰れなかった。しかしどちらも二日酔いになってこれでは彼等と同じだと思ったのだった。
成人式の騒動 完
2025・1・16
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