| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百五十五話 他人の幸せその九

「留奈ちゃんが言う通りね」
「ダメンズだから」
「だからね」 
 そうであるからだというのだ。
「本当にね」
「誰もなのね」
「いい評価をしない」
 そうしたというのだ。
「餓鬼と言ってもいい位だから」
「親戚の人もそう思ってるの」
「生活保護を止めて」
 そうしてというのだ。
「その分困っている人に生活保護がいく様にして」
「それでその人は野垂れ死ぬ」
「そうなる様にね」
「言ってるのね」
「親戚の人達こそその人に迷惑かけられていて」
 そうであってというのだ。
「離婚とか。ヤミ金からも借りたっていうし」
「ヤミ金って」
「働かないからお金なくて」
「生活出来なくて」
「それで団地で暮らしていたけれど家賃も滞納してて」
 そうであってというのだ。
「そうしたところからも借りて」
「ダメンズ極まれりね」
「そうしたことへの後始末があったから」
「親戚の人達もなの」
「皆嫌ってるらしいわ」
「そうなのね」
「兎に角何があっても最低なまま変わらない」
 そうしたというのだ。
「一度ホームレスになったらしいけれど」
「ああ、団地にいられなくなって」
 一華はすぐにわかった。
「それでなのね」
「そこから天理教の人が探してくれて」
「見付けてくれて」
「教会に迎えたらしいのよ」
「そこで普通わかるでしょ」
 一華は首を傾げさせて言った。
「もうね」
「普通はそうよね」
「ええ、そこまでの目に遭ったら」
 それこそというのだ。
「わかるでしょ」
「けれどそれでもね」
「わからないのね」
「離婚した時に一回お世話になったらしいけれど」 
 天理教にというのだ。
「そこから天理教の悪口やたら言う様になって」
「お世話になって」
「心を入れ替えないどころか」
「そうなって」
「相変わらず働かないでそんな性根で」
「団地追い出されて」
「それでもね」
 そこからホームレスになってもというのだ。
「反省しないで」
「遂に行方知れずになって」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「どうもね」
「生活保護ね」
「困ってないのにね」
「結局靴のままなのね」
「そうなのよ」
「誰からも嫌われたうえで」
「そうであってね」
 それでというのだ。
「そうらしいのよ」
「いや、そうなったら」
 どうかとだ、理虹は言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧