おぢばにおかえり
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第八十三話 回廊ひのきしんその七十五
「よくあるたかりになるとね」
「碌なことはないですね」
「都合のいい時だけへらへらする人新一君嫌いだったわね」
「大嫌いですよ、そんな奴」
はっきりとした返事でした。
「何人も見てきましたけれど」
「新一君ってつくづく色々な人に出会ってるわね」
よくも悪くもです。
「それでそんな人は嫌いで」
「口もきかないです」
「そうよね」
この辺り実に新一君らしいと思いました。
「好き嫌いはっきりし過ぎてるから」
「それでそんな奴にはです」
「絶対になりたくないわね」
「下種には」
「そこでまた全否定するし」
本当に悪い癖性分がいつも出て来る子だとも思いました。
「まあ兎に角お金のことはなのね」
「僕はしっかりしていきたいですから」
「だからなのね」
「お金のことで問題あるなら」
それならというのです。
「僕はいいです」
「そうなのね」
「出すなら僕が全部出すか」
「ワリカンね」
「そうさせてもらいます」
「新一君に出させるつもりはないから」
私もです。
「そう言うならね」
「いいですね」
「ええ、それじゃあね」
それならです。
「たこ焼きはまたの機会にね」
「食べますね」
「そうしましょう、しかしね」
「しかし?」
「新一君ってしっかりしてるところはあるわね」
このことにも思いました。
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