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八条学園騒動記

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第七百八十二話 トム達と海賊その二

「そうしようかな」
「そうしたらいいわ、それで私も行くわね」 
 ペリーヌは微笑んで申し出た。
「そうさせてもらうわ」
「ペリーヌもなんだ」
「海賊になるのもいいわね」
「それでなんだ」
「昔女海賊もいたしね」
「ああ、いたね」
 トムは言われて確かにとなって頷いた。
「二人組のね」
「そうそう、ボスに仕えていた」
「西部劇のカラミティ=ジェーンみたいな」
「アンーボニーとメアリー=リードだったわね」
「あの二人がそうだったね」
「有名よね、二人共」
「そうそう」
「その二人によ」
 笑顔でだ、ペリーヌは話した。
「なろうってね」
「思ってるんだ」
「二人のうちのどっちかね」
「拳銃と曲がった刀で武装して」
「頭にバンダナ巻いたね」
「そうした海賊になりたいんだ」
「そう思ったわ」
「じゃあ僕も行こうかな」
「私もね」
 スターリングと蝉玉も言ってきた。
「それならね」
「いいかもね」
「私中国の海賊になるわ」
「僕は北米を荒らしたパイレーツになるよ」
「ペリーヌがそうなるなら」
「トムと一緒にね」
「じゃあ四人で行く?」
 それならとだ、トムは二人にも応えた。
「テーマパークの海賊のコーナーに」
「大勢の方が楽しいし」
「そうしましょう」
「それじゃあね。しかしね」 
 ここでベンはこうも言った。
「海賊って悪い奴等だけれど」
「宇宙海賊とかね」
「やっぱりそうよね」
「けれど妙に恰好いい感じがするんだよね」
 スターリングと蝉玉に話した。
「これが」
「何でかね」
「ロマンもあって」
「うちの理事長さん征伐したけれど」
 八条義統がというのだ、彼は連合中央政府国防長官として連合国境外縁部の宇宙海賊達を連合軍を用いて掃討しているのだ。
「それでもね」
「海賊ってね」
「絵にもなるしね」
「大海原を駆け巡って戦って財宝を手に入れて」
「冒険もしてでね」
「恰好いいね。宝島だって」
 トムはスティーブンソンのこの小説の話もした。
「読んでると面白いしね」
「そうそう、海賊が主人公だとね」
 まさにとだ、ペリーヌも言った。
「格好よくてロマンがあって」
「面白いんだよね」
「だから昔からね」
「海賊が主人公の漫画とか多いね」
「アニメでも小説でもね」
「ゲームでもね」
「ワンピースなんかね」  
 この時代では連合中で描かれているこの作品はというのだ。 
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