| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその四十五

 そうしてだ、ギルフォードはあらためて言った。
「平民が豊かになってこそ」
「エウロパも栄えます」
「文化もです」
 これもというのだ。
「よく貴族文化と言われますが」
「エウロパの文化の担い手は殆どが平民です」
「彼等が芸術や文化の活動に情熱を注ぎ」
 そうしてというのだ。
「常に栄えています」
「我々も文化活動を行い」
「援助もしていますが」 
 それでもとだ、濃厚なミルクと砂糖を多く入れた紅茶を飲みつつ話した。
「担い手自身は」
「平民です」
「我々の実際に担う者もいますが」
 貴族でもというのだ。
「やはりです」
「多くはですね」
「平民です」
 この階級の者達だというのだ。
「それで、です」
「文化の担い手も平民だというのに」
「あの者達といいますと」
 連合の者達はというのだ。
「この様にです」
「そう言っていますね」
「はい、それはです」
 実にというのだ。
「エウロパのことを何も知らない」
「そう言うしかないですね」
「全くです、バロックやロココを思わせる美でも」
 ギルフォードはエウロパの芸術の趣の話もした。
「しかしです」
「それでもです」
「それを生み出しているのは平民階級で」
「あの雅な芸術も。料理も」
 これもというのだ。
「全てです」
「貴族文化ではありません」
「そうです」
 ブラウンベルグも言った。
「我々がどういった宮殿に住んでも芸術品に囲まれていても」
「生み出しているのは平民です」
「それがわかっていません」
「あの国はそうです、それは政治にも出ていまして」
 ギルフォードはこちらのことも話した。
「今サハラの戦乱は終局に向かっています」
「オムダーマンに大きく傾いていますね」
「はい、あの様な状況になれば」
 そのサハラの戦局のことも話した、オムダーマンとティムールのその戦いのことはエウロパでは常に見られているのだ。
「もうです」
「ティムールは覆すことは難しい」
「そうかと。ですから」
「オムダーマンの勝利で」
 まさにとだ、ブラウンベルグも言った。
「終わり」
「オムダーマンが統一しますね」
「そうかと。ですから」
「今後はですね」
「オムダーマンとの外交を進めていきますか」
「そう考えています、既にマウリアに打診しています」 
 第三国であるこの国にというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧